ちいぴ
STEAM教育って調べるとプログラミングがたくさん出てくるけど、やっぱりその勉強させたたほうが良いのかな?

普段STEAM教育と調べるとプログラミング要素の多い教材が多くヒットしますが、幼児期、とくに5歳まではプログラミングではありません。

STEAM教育自体、理科(Science)、技術(Technorgy)、工学(Engeneering)、芸術(Art)、数学(Math)の頭文字を合わせた名称で、プログラミングはこのうちの技術にあたります。

ですが、そもそも『理科、技術、工学、芸術、数学』と5つに分けて考える時点でSTEAM教育の目指すものからは外れてしまいます

この記事の内容
  • プログラミングではない本来のSTEAM教育
  • STEAM教育は科目ではなく教育の姿勢
  • 幼児期にSTEAM教育が進めやすいわけ
  • 取り入れるべきSTEAM教育

今回はプログラミングに意識が偏りがちなSTEAM教育について、具体例を挙げて解説していきます。

文部科学省提案し世界でも注目されるSTEAM教育の姿は幼児期にこそ効果的な教育ですので、ぜひ参考にしてみてください。

STEAM教育はプログラミングではなくより総合的な学び

そもそもの話、STEAM教育はプログラミング!という意識の方も多く、同じく教材もプログラミングを意識したものがたくさん出てきます。

しかし文部科学省がSTEAM教育について提案しているのは

教科横断的な学びです。

ちいぴ
教科横断的…?

ようは教科にとらわれず学んだことを問題解決に活かそう!っていう考えですね。

例えば学校の勉強で「人口」や「過疎化」を習うとします。社会の単元ですね。ここで出てくるのが「人口密度」ですが、これは算数の割り算や分数で求めると思います。

さらに「密度」といえば理科で出てくる体積当たりの物体の質量としての「密度」もありますね。

このように、社会、理科の問題が同じ算数の内容で繋がる

教科を横断して問題を解決する

という部分が教科横断的な学習と考えてください。

所長
実際、最近の学校教育では算数の時間に人口密度を求めたりします。

つまるところ、STEAM教育はプログラミング能力向上ではなく、勉強したことからいろいろな面に柔軟に対応できる力を付けましょう!という感覚に近いわけです。

上の例は学校教育でしたが、他にも例えば地元の街を活性化させるといった問題に取り組むとすると

  • 町の歴史的遺産を観光資源として考える
    ⇒歴史や地理の能力
  • 観光に来てもらうために外国人が来やすいよう交通機関を整理
    ⇒英語と地理・経済学
  • 観光誘致のための不便を解消するために橋を建設
    ⇒数学・工学と工学のための理科

といった流れを考え行動することが教科横断的な学びとしてSTEAM教育になります。

ちいぴ
街を活性化という目的の為にいろいろな分野の知識を総合的に使うわけだね

そして上の地域開発の例で言うのであれば、『町の活性化の為に何かしなくちゃ!』『特産品や観光資源があるか調べよう』『調べたら交通機関を整理すれば成功しそうだぞ!』と、主体的に考え実行する力を養うのもSTEAM教育の目的の一つです。

この辺りが主体的で深い学びという名称で呼ばれていますね。

こういった能力、もちろんプログラミング的思考力も大切ですが、ただプログラミングの学習やそれ以外の内容を単独で勉強するだけではなかなか身に付きにくいものだと思います。

STEAM教育は幼児期が特に有効!でも『勉強』と捉えると失敗しやすい

さて、STEAM教育とは根本的に

  • 教科関係なく学んだことを活かして課題に取り組もう
  • 自分で興味を持ったものを詳しく調べよう
  • 学んだことは実際に試してみよう
  • それらを通じて総合的に力を伸ばそう

という教育の姿勢そのものです。

所長
つまりSTEAM教育で○○を勉強しよう!って時点で趣旨が違うわけです。

もちろんSTEAM教育は教育の姿勢の前段階として理科や数学の知識を勉強する必要がありますので、それらを学ぶこと自体はとても素晴らしいことです。

ですが、理科や数学を勉強してプログラミングも習ってる!ではSTEAM教育にはならないわけです。だってSTEAM教育に大事なのは勉強じゃないんですもの。

ちいぴ
じゃあ何をするのがSTEAM教育に繋がるの?

ようするに

  • 算数や国語と言った教科の境界を無くす
  • 勉強と遊び・実生活の区別を無くす
  • 興味を持ったものをさらに調べてみる

といった教育が必要になってきます。

であればこそ、STEAM教育を進めるには遊びと生活と勉強の区別がついていない幼児期が特に有効であり、一般的にイメージされるような『勉強』として取り入れると失敗しやすいわけです。

その他、なんにでも好奇心を持つところも主体的な学びという意味ではばっちりですよね。

幼児期のSTEAM教育は勉強と日常を融合させよう

おうちで幼児教育に取り組んでいるブログなんかを見ると、○○のワークができた!すごい!といった記事を見かけることが多いのですが、STEAM教育はその一歩先に進んで欲しい教育です。

例えばすごく初歩的な例として、3歳~4歳向け実際のSTEAM教育を考えてみましょう。

例) ワークやドリルでジャガイモの数を数えられるようになる

ここまでが一般的なお勉強ですね。

ではSTEAM教育を取り入れようとすると

例) その後に「カレーに使うからジャガイモ4つ持ってきて」とお願いする

⇒実物のジャガイモを4つ数えて持ってくる

こういった流れがSTEAM教育に大切になってきます。

所長
もちろんこれは極めて初歩で、STEAM教育と言えるほどのレベルではありませんが、方向性として「学んだ理科や数学の知識を活用する」という例として考えてください。

これをよりSTEAM教育的な要素を増やすと

「あの野菜たちの中からジャガイモを4つ探して一度にもってきて!」

みたいな形にバージョンアップします。

こりす

どれがジャガイモだっけ?
4つ数えよう
どうすれば一度に運べるかな?

といった思考を増やすわけですね。

非常にシンプルな例ですが、STEAM教育は実践してこそですので机の上だけで終わらない教育が大切になってきます。

これを踏まえたうえで、じゃあ具体的に普段から何をすればいいの?って疑問に思った方はこちらの記事も参考にしてみてください

幼児期にお勉強として重視すべきSTEAM教育のスキル

ここまでSTEAM教育は日常に活かすことが大切で、プログラミングや特定の勉強の話ではない!という内容を書いてきました。

とはいえ、お勉強として重要となるSTEAM教育のスキルももちろんあります。

それはズバリ数学と理科の分野ですね。

しつこいくらい色々な記事で書いていますが、教育学の研究よりこの二つは幼児期の能力と成長後の学力とが強く関係していると示唆されています。

所長
塾の経営でたくさんの生徒をみてきましたが、特に小学校高学年からでは本当に克服できません。

幼児期に重要なSTEAM教育①:数学スキル

特に数学はプログラミングの分野にも関わってきますし、STEAM教育の中でも最も重要な要素です。

STEAM教育が気になって、ゆくゆくはプログラミングやITの活用が…と気になってしまうのであれば、幼児期はなおさら数学的な要素の知育に力を入れてあげましょう。

普段から物を数える習慣や研鑽する習慣を付けられるようお子さんと接して欲しいと思います。

ちなみに幼児期(3歳~5歳向け)の具体的な数学のスキルを挙げていきますと

  • 数を数える・数の大小・簡単な計算
  • 形の名前・組み合わせ・パズル的要素
  • パターンや順番の認識

といったものが挙げられます。

この辺りは殆どの幼児向け教材に取り込んであるので何をつかって勉強しても全然OKですよ。

ちいぴ
ただ勉強した後に生活で使うことが大事なんだよね

数学スキルのお勉強も机の上だけで終わらせたらSTEAM教育になりませんので、日常生活で数字や形を意識してみてください。

幼児期に重要なSTEAM教育②:理科スキル

次に幼児期の能力とつながりが強いといわれる理科ですね。

ここは知識としてのお勉強というよりも自然への好奇心を育てることが重要だと思ってください。

所長
ここで言う自然は森や動物のことではなく
星や石、重力・電力や水といった幅広い自然を指します

とくに昨今話題のAIやIT機器なんかはもともとが電気信号ですし、次世代のコンピュータである量子コンピュータなんかは大学以降の物理学だったりしますので、理科への好奇心が大きくものをいう分野ですので、お子さんが疑問に思ったことにはどんどん答えるようにして挙げてください。

こちらも幼児期(3歳~5歳)の具体的なスキルを上げると

  • 生き物の名前や種類を知る
  • 雨風や力などを体験しその関係を理解する
    ⇒雲と雨の関係、日光と熱の関係等、バネの伸びと力等
  • シンプルな実験遊び
    ⇒物の浮き沈み、鏡の反射、氷が解ける様子の観察など

数学と比べると抽象的ですので、この辺りは別の記事で後日詳しく書く予定です。

幼児期にSTEAM教育でプログラミング能力を育てるには?

とはいってもSTEAM教育と言われたらプログラミング的な学習が必要なんじゃないかって思いますよね?思いません?

そんな時は、お子さんにしっかり絵本を読んであげる、正確な言葉で自分の意思を表現させるといったことを心がけて普段から接してあげてください。

ちいぴ
それは確かに。
色々なところでプログラミングって言われてるし。。。

実際のところ、プログラミングを使ったおもちゃなどを用いた学習が優位に生きてくるのは一般的に5歳以降らしいです。

5歳以上であればいろいろなところで宣伝されている、いわゆる「プログラミングのSTEAM教育の教材」といったものを取り入れていけばいいでしょう。

逆にそれまでは脳の前頭葉が発達不足ということで、プログラミング専用の学習はあまり効果的ではないとのコトです。

じゃあ3歳・4歳やもっと下の年齢であればSTEAM教育としてプログラミング的な学習をさせる必要がないかというと、実はそうではありません。

所長
日常生活や絵本の読み聞かせが立派なプログラミングの学習になりますよ。

プログラミングは実際のところプログラミング『言語』と呼ばれる、コンピュータ向けの命令書ですので、国語や文章読解的な力が必要となってきます

ですので絵本を読むことで鍛えられるプログラミング的思考や能力ってたくさんあるんです。

例として挙げていくと

  • 語彙や指示語・文法の理解
    ⇒コンピュータへの指示に活きる
  • 物語の前後関係の把握
    ⇒○○するとこうなる!といった因果関係の理解
    ⇒論理的思考の土台にも繋がる

ですので、本格的なプログラミンググッズを使う前に、絵本を読んであげることがしっかりとプログラミングの学習に繋がるわけです。

その他、絵本以外で出来る物を例として挙げると

  • パズルやブロック遊び
    ⇒問題解決能力や思考力
  • トランプやすごろくなどのゲーム
    ⇒繰り返しや条件分け等プログラミング的概念

などもばっちりプログラミングの練習になるので、積極的に取り入れてください。

最後に

今回はSTEAM教育がやや偏った形で世間に認識されているのではないかというお話でした。

今回のまとめ
  • STEAM教育はプログラミングだけではない
  • STEAM教育は実生活と結びついた学びの姿勢
  • 幼児期はSTEAM教育に最適
  • 数学と理科は優先して教育して欲しい

このブログでも幼少期からのSTEAM教育の重要さ、特に理科・算数・工学の分野についてよく記事にしていますので、興味があれば他の記事も参考にしてみてください。

また、幼児期からのSTEAM教育に興味があり、なおかつ教材を探しているというご家庭であれば、私はZ会幼児コースをおすすめしております。Z会幼児コースは学びと実生活を繋げるのがとても上手な教材で、色々な意味で勉強になりました。

また、STEAM教育に焦点を当てたワンダーボックスも魅力的な教材でしたので、ぜひ一度無料体験をしてみてください。

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