絵本の内容もですが読み聞かせの『方法』も重要です!
というわけで今回は、文系の家庭でもできる理系が得意に育つ絵本の読み聞かせ『方法』と題して、理系に強く育てるために必要な能力と合わせて、読み聞かせ方法をおすすめの絵本とともに紹介していきます。
AIブームだったり、さらなる技術発展が日々ニュースに上がる昨今、理系に強く育てたいと考えるパパママも少なくないと思います。
しかし、10歳以降では理系の苦手を克服することは難しいので、広くご家庭で理系を得意にする教育・知育は幼児期からしっかりとしてもらいと切に願っております。
ついでに言えば、私自身が塾を経営する中で経験してきたこととして、文系が苦手な生徒と比べて理系が苦手な生徒のほうが受験に対する苦労がとても大きくて。。。
今回は入門編として、理系的な絵本に関わらず、様々な種類の絵本でも出来る理系脳を育てる読み聞かせ型として紹介していきます。
- 理系が得意になるために必要な力
- 理系脳を育てるための読み聞かせ『方法』
⇒理系の能力を育てる『対話型読み聞かせ』 - 具体的な読み聞かせの例
理系の能力やSTEAM教育(理科、技術、工学、芸術、数学教育)分野のうちの特に理系・STEM分野についても読み聞かせで育てることが出来る能力がたくさん含まれています。
しかも『読み聞かせ』という行為が出来るのはお子さんが小さい頃だけですよね!
大人が読んであげる内容を喜んで受け入れてくれる今がチャンスですので、ぜひ参考にしてみてください!
幼児期に絵本の読み聞かせで育てられる理系の力と理系脳
文系・理系と明確に区別が出来るのは高校に進学してから、明確に得意不得意が分かれてくるのは中学になってからですが、幼少期から理系の能力は育っていきます。
むしろ幼少期から育っていないと後になって育てにくい能力がたくさんあります。
- 語彙・読解スキル
- 知的好奇心
- 論理的思考力・学習意欲
語彙や読解スキルは理系に限らず大変有効ですが、特に理系的な分野を読み取るためにはさらに必要になってきます。
論理的思考力や知的好奇心も、理系やSTEAM教育分野が得意となるために必要な最たるものですね。
そして、これらを育てるためには同じ読み聞かせでもある特定のテクニックが必要となってきます。
- 語彙・読解力
⇒通常の絵本の読み聞かせ
⇒読み聞かせ中の質問に答えてあげる - 知的好奇心・学習意欲
⇒科学的な絵本の読み聞かせや図鑑
⇒物語以外の絵本を重視する - 理解力・論理的思考力・知的好奇心+・学習意欲+
⇒理由を考えながら行う『対話型』の読み聞かせ
つまりは絵本をただ読むだけでなく対話型の読み聞かせをすることで理系やSTEAM教育の能力がより一層育てることが出来るということになります。
それを物語以外でもやればバッチリ理系が得意に育つってことかな
子供を理系に強く育てる・絵本の『対話型の読み聞かせ』とは
では、『対話型の読み聞かせ』とは実際にどのような方法なのかを紹介していきます。
簡単に言えば、内容について子供とお話しながら絵本を読もう!という読み聞かせ方法になります。
ただ、その中でもより理系的な好奇心や論理的思考を育むコツのようなものがありますので、具体的な読み聞かせの方法を順番に紹介していきますね。
入門編①|絵本のお話し予想で理系的思考力UP
まずは絵本を読む前や、読んでいる最中に内容の予想をする対話です。
タイトルや読んでいる途中でいったん読み進めるのを止めて
その後の展開を予想&その予想の理由を話し合いながら絵本を読んでいく方法です。
この後は○○だから□□になるのかな?と、理由に基づいた予想をするということがそのまま論理的思考力に繋がります。
また、それまで読んだ情報を整理して展開を予想するという過程がそのまま理解力の向上へと活かされていきます。
手順と例|理系的な思考力や理解力向上の読み聞かせ方法
ではさらに具体的な例を挙げて紹介していきますね。
読み始める前にタイトルから予想を話し合う
第一段階、絵本を開く前に、表紙とタイトルからどんな内容なのか予想を話し合いましょう。
本のタイトルを読み上げて表紙を見ながら
- 「どんなお話だと思う?」
- 「このキャラクターは何するのかな?」
- 「なんでそんなお話だと思ったの?」
と簡単にお話してから読み聞かせをスタートしましょう!
楽しく読めることが最優先です。
この問いかけで想像力を働かせてくれますし、自分で予想の理由を考えるところが大切です。
主要場面のページで次の展開を予想
お次は重要場面で一時停止。ここも同じくいろいろと予想の話をしましょう。
- 「この後はどうなると思う?」
- 「このキャラクターは何を考えてるのかな?」
- 「なんでそんなお話だと思ったの?」
- 「パパママは○○だと思うな。だって□□でしょ?」
- 「そんな風に考えるんだ!凄いね!面白いね!」
と、いろいろと予想を話して、そして予想したことを褒めてあげてください。
タイトルからの予想も次の場面の予想も、お子さんの想像力、理解力を育みますし、次の展開の予想を理由に基づいて行う事自体が論理的思考力の教育に大いに役立ちますよ!
大事なのはあくまで「考えること」ですので予想がでたらめでも全然OK!
さらにその「考えたこと自体」を褒めてあげればばっちりです!
入門編②|絵本の問題解決で好奇心・思考力・解決力&理系脳UP
3歳以上向けの絵本でよく出てくるパターンとして
『登場人物が何かしら困りごとを解決する』という流れがあります。
その解決方法を話し合いましょう。
はらぺこあおむしならお腹が減るのも困りごとだね
他にも『お昼までまだまだ時間があるから運動しよう!』なんかも時間が余っているという困りごとです!
いろいろな場面で出てきますので、一度ページを止めてそれらを自分ならどう解決するか話し合いましょう。
この自分ならどうするかという考え自体が論理的思考力と問題解決力の向上に大いに役立ちます。
手順と例|思考力や解決力・理系脳をさらに伸ばす絵本の読み聞かせ
話し合いの手順としては以下の順。
- 登場人物が困った場面や問題点で読み聞かせを中断
- 「困ったね。○○ちゃんだったらどうする?」と問いかけ
- 「それいいね!」など解決方法を自分で考えたことを褒める
これだけ!
他にも「別の解決方法を考える」などでもばっちりです。
では有名な絵本をもとに簡単な例を紹介していきますね。
三匹の子豚での問題解決
これは上でも紹介したようにオオカミに家を吹き飛ばされることが困りごとですよね。
- 「何で藁の家だと飛ばされちゃうんだろう?」
- 「○○ちゃんだったらどうする?」
- 「他にも家が飛ばされない方法はあるかな?」
みたいな質問が考えられますね。
「自分ならどうしよう」と主体的に考えてもらうことがポイントです。
ぐりとぐらでの問題解決
有名な絵本『ぐりとぐら』で言えば、野ネズミの二人には卵が大きくて運べない、硬くて割れないといったいろいろな困りごとがありますね。
この絵本自体が色々な問題を解決していくので、問題解決能力や論理的思考力を養うのにばっちりです!
それに加えて
- 「○○ちゃんならどうやって運ぶ?」
- 「他にも大きい玉子を割る方法があるかな?」
- 「本当に大きい玉子があったら何作りたい?」
などなど、そもそも問題を解決していくお話なので質問もしやすいと思います。
自分で考えることで好奇心もしっかり育つ
この流れで大切なのは、本当に解決できる方法を当てることではなく、解決方法を自分で考えること自体です。
そして物語の人物なだどうするか?という考え自体が、そのまましっかりと好奇心の向上にも繋がります。
「自己投影」「自己説明」といった言葉で研究されていることですね。
また、こちらも考えることが目的ですので、お子さんが実際には解決できない方法を出したり、分からなかったりでも全然問題ありません。
自分で考えることが出来た時点でしっかり褒めてもらえれば、進んで自分で解決方法を考えるようにも育ってくれますので、楽しく絵本の内容をお話しできることを一番に考えてあげてください。
って子供に思ってもらうためだね!
まとめ|絵本の対話型読み聞かせで理系の力をしっかり伸ばす
今回は理系を育てるために有効な絵本の読み方の入門編と題して紹介してきました。
- 論理的思考力・好奇心・問題解決力が必要
- そのために絵本を対話型で読み聞かせすることが大切
⇒絵本の内容や展開の予想を話し合う
⇒絵本の中で自分ならどうするかを話し合う - 『考えた』こと自体をしっかり褒めてあげる
理系脳と言ってしまえばSTEM教育分野でいう『数学や理科の勉強が得意』であることのように感じられてしまうかもしれませんが、そもそも「深く探求する意欲」や「論理立てて物事を考える習慣」といったものがその根本にあります。
そして数学や理科を使って「実社会の問題を解決するため」に発展したのが工学や技術分野となります。
ですので、『数学や理科の勉強が得意』の前段階として
『論理的思考力・好奇心・問題解決能力を育てる』=『理系が得意に育てる』と繋がっています。
そんな論理的思考力・好奇心・問題解決能力を育てるのに今回紹介したような絵本の対話型読み聞かせが非常に効果的ですので、ぜひ日々の読み聞かせに取り入れてみてください!