一般的に長時間のテレビ視聴は悪影響であり、様々な研究でメディアの視聴が学力の低下に繋がると報告されています。
でも、テレビってたくさんの情報があふれているのに、本当に悪影響しかないんでしょうか?
また、実際にテレビなし育児を行ってきた家庭が身近にいますので、その子供たちがどのように成長しているかも合わせて紹介していきます。
- テレビなし育児で育った子供の実例
- 年齢別一日の視聴時間目安
- 適切なテレビは学力向上に繋がる
- おすすめ教育番組
『テレビが教育に悪影響』という一般的な話に対して、『教育としてテレビを活用する』という点に主眼をおいたお話となっています。
普段の育児・教育・知育の助けになる点があればと思いますので、ぜひ見ていってください。
目次
テレビなしで育った子供の実例や学力紹介
私の知り合いの子供はテレビをつけると熱中しすぎてしまうこともあり、3姉弟揃って幼少期からほとんどテレビを見せずに育てられています。
ママは教師で教育熱心であり、全員幼稚園から小中一貫校に通っています。
じゃあその3人がどう育っているかというと
一度テレビを付けたら止まらず見すぎてしまうから家ではリモコンが隠してあるよ。たまに見せてもらえるYoutubeとかゲームが大好き!
お兄ちゃんに合わせてテレビを見てないから、いざテレビが付くと止まらずずっと見てしまうよ。体を使って遊ぶのが大好き!
私もテレビを見ていないから、いざテレビがつくとじ~っと見入ってしまうよ。私も運動が大好き!
とまあ、テレビなし育児かつ教育熱心な家庭ではあれど、正直そこまで賢く育っているわけではありません。
別にテレビを見せなかったから勉強が苦手になったとは言いませんが、逆にテレビを禁止しても賢く育つとは限らないわけです。
そもそもテレビが悪影響というのはあくまで「長時間の視聴が悪影響」という条件が付いていますので、まったくテレビを見ないことが良しとされるわけではありません。
テレビなしの年齢や推奨されるテレビ視聴時間
実際、テレビの視聴時間は月齢・年齢とその内容によって推奨される時間が変わってきます。
私は研究論文が多いアメリカの情報を参照しており、アメリカの小児科学会(APP)では次のようなガイドラインが推奨されています。
- 18ヵ月未満:テレビなし
⇒テレビや動画の視聴を避けましょう。 - 18ヵ月~2歳:テレビの開始
⇒有益なメディア・アプリを利用しましょう。
⇒大人が一緒に利用して内容を理解できるよう説明しましょう。
⇒時間は明記されていませんが一般的に数分~30分 - 2歳以降:適度な利用を推奨
⇒一日に1時間までの有益なメディア利用を推奨します。
⇒大人が時間や内容をしっかりと管理しましょう。
⇒大人が内容について話しながら視聴しましょう
ここで注目して欲しいのが、2歳以降は条件はあれどテレビの利用が推奨されているという点です。
また、ここで書かれている『有益なメディア』についてですが
- 教育的コンテンツ
⇒学ぶべき内容や勉強になる情報を発信する番組
例:動物ドキュメンタリーや機械の構造、教育番組全般 - 受け身にならない内容
⇒子供が能動的に参加・考えることを促進する要素が含まれる
例:一緒に体操や工作する、年齢にあったクイズ番組など - 社会的・感情的能力を育てる
⇒友情や感謝、共感などの感情や社会的なスキルを育てる内容
例:物語、ルールや善悪 - 商業的なメッセージの制限
⇒過度な広告や商品の宣伝が少ない
という風に言われています。
難しいのであればNHKの教育テレビのような内容と考えてもらえればOKです!
時間帯にもよりますがNHKのEテレが放送している子供向け番組は殆どが上記の条件を満たしていますので、内容を吟味する必要が殆どありませんよ!
テレビによって賢く育ったという研究紹介
出典:NHK
画像はかの有名なセサミストリート。アメリカの非営利団体・セサミワークショップが作成している子供向け50年以上続く教育番組です。
この教育番組に関する研究が昔から行われており、教育に良い効果をもたらしているという結果がたくさん報告されています。
例えば2015年に発表された研究では
セサミストリートを見れる地域の子供たちは学力が高いと判明しています。
これはセサミストリートが有効!という話ではなく、教育的な番組は子供の成長に役立つという研究結果です。
ですから、教育的な、有益なメディアは上手く活用していきたいですね。
テレビなし育児よりも視聴を推奨される理由
悪影響という研究結果ももちろんあります。ですが、それよりも
学ぶ上でテレビは情報量が多いという点がとっても有益。
もちろん上で挙げたような有益なメディア・視聴時間に限った話ですが
テレビを見せるメリットとして
- 動物の動く様子や鳴き声が観れる
- パパママが使わない語彙が得られる
- 機械や自然現象など動きが無いと分かりにくい知識が得られる
- 家庭では再現できない知識が得られる
- 偶然の学びが幅広く得られる
といった利点があります。
自然現象、例えばニュースで出る災害なんかは身を守る上でも重要ですがなかなか経験する機会(しないほうが良いのですが)もなく、保育園幼稚園や学校で行う避難訓練の意味を深めるには有効ですし、NHKのピタゴラスイッチなんかは工学や物理学の要素がいっぱいだけど自宅で再現は難しいです。
そして何よりもテレビなしで過ごすと『偶然の学び』を得る機会がとても減少してしまいます。
子供のテレビ視聴で得られる偶然の学び
動物の動きや鳴き声、その他メディアでないと経験できない機械や自然現象などの大掛かりな知識については、例えばテレビでなくても動画を検索したり図鑑やDVDなどでも得ることが出来ます。
でも意図的に調べ、買わないと子供の学習に活かすことが出来ませんよね?
それに対してテレビ番組、特に教育的な番組は
親が思いつかない知識を紹介してくれる機会が多くなるというメリットがあります。
こういった『偶然広がる知識や好奇心』を育てるには、テレビは非常に優秀な教育媒体になると考えています。
テレビなし育児のデメリット
逆にデメリットですが、これはパパママの能力によって左右されます。
簡単に言えば上で挙げたテレビを見せるメリット部分をパパママが補完できればデメリットはほぼなくなります。
でも、正直なところメリットで挙げた内容を家庭で準備するのってとっても大変ですよね?そしてテレビで出会うような偶然の学びを準備するのはさらに大変だと思います。
そこが大きなデメリットです。
幼児教育・知育に有効なおすすめテレビ番組
では具体的にどの番組がおすすめか紹介していきますね。
ちなみにここで個別に紹介する番組名は、3~4歳前後から興味を持って楽しく見てくれたもの、かつ理系やSTEM教育に有効と考えて選んだ番組です。明確に教育要素が見られる番組はある程度成長するまであまり喜んでくれなかったので。。。
NHK Eテレ|旧NHK教育テレビ
基本的には年齢別でEテレを付けていれば問題ありません笑朝夕晩、平日および土曜日はそれぞれの年齢に向けた教育番組が目白押しです。
中でも他ではなかなか得られない知識を提供してくれる幼児向け番組として
ピタゴラスイッチ
出典:Wikipedia
マチスコープ
出典:NHK
ひらめき工房
出典:NHK
は3~4歳くらいになったら是非とも見せてあげてください。
民法の知育教育に良いおすすめテレビ番組
その他、民放で幼児も喜んでくれた番組を紹介していきます。
上でも書きましたが
世界丸見え!テレビ特捜部
出典:日本テレビ
こちらは様々な海外の様子、最新技術や自然現象までいろいろと紹介してくれるので本当に重宝しています。
所さんの目がテン
出典:日本テレビ
こちらは回を選びます。科学を題材にした番組なのでとても有益なのですが、子供が興味を持たないときは見向きもしません笑
その他民法でよくあるクイズ番組なども本当は良いのですが、幼児には答えやルールが分からない問題が多すぎであまり楽しく見てくれませんでした。
幼児教育にいいアニメ番組
最後にアニメですが、私が手放しで幼児の知育に素晴らしい!と言えるものは
おさるのジョージ一択です笑
出典:NHK
他のアニメも知育要素がたくさん入っているものは少なくないのですが、個人的に論理的思考力や判断力、問題解決力を重視している私としてはほぼコレ。
試行錯誤して問題解決するところが好きなようでうれしいです。
まとめ|正しく使えばテレビはとっても有効な教材
今回はテレビなし育児の弊害や、賢く育てるために有効なテレビの使い方を紹介してきました。
- 2歳以降は1時間程度の有益なテレビ番組が推奨される
- 教育的な番組の視聴は学力向上にもつながる
テレビは上手く使えば有益というお話でしたが、不適切な利用や長時間の利用が悪影響であることは間違いありません。
また、短時間でも他の活動時間や睡眠時間を削るようであれば当然それもまた悪影響となります。
子供の為になるかどうか、一緒にテレビを見てあげられるかどうかと吟味しながら生活に取り入れてください。