今回は、塾を経営する中で1,000人の中高生を見てきた私が気付いた、成績が優秀な中高生だけが持つ特徴を紹介していきます。
目次
幼少期に培われる・高学歴に進んだ優秀な学生しか持たない特徴ランキング
数多くの生徒を見てきた中で、以下のような視点から優秀な学生が持つ特徴を評価していきます。
幼児期が重要度 | 幼児期にその能力が育つとされている度合い | ||
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成績への影響 | 能力がどれくらい成績に影響しやすいか | ||
挽回のしやすさ | 10~18歳からでも身に着けやすいか |
第1位|自然科学への『知的』好奇心:幼児期~小学低学年まで
幼児期の重要度 |
4.5
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成績への影響 |
4
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挽回のしやすさ |
1
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様々なところ、ネットや本でも言われることですが、やはり優秀な生徒は知的好奇心が旺盛です。
どんな子供も好奇心は持っていますが、優秀な学生はそれが学習内容、特に自然科学への知的好奇心が大切です。
アメリカで7000以上の家庭を対象に行われた学力追跡調査の研究から、幼児期~小学低学年の自然科学の興味と能力が中学生の理系学力と特に結び付いていることが判明しています。特に数学、次いで理科。
自然科学への知的好奇心を付けるには
「自然体験」「数や数字に触れる機会」「探求の推奨」を生活の中で意識して子育てしましょう。
- 自然体験:そのまま。自然現象の観察でもOK
⇒屋内なら「解ける氷の観察」「料理」も幼児にとっては自然体験です。 - 数や数字と触れる機会:わざとらしく色々な物を数えてあげる
⇒早期教育で取り入れるのも良いですね。 - 探求の推奨:本人が興味を持って取り組むことを褒める
⇒知りたいことを「調べる」「考える」様子をしっかり褒めてあげましょう
自然体験の大切さは色々なところで耳にすると思います。
あまり見ないのは『数に触れる機会』『探求の推奨』ですね。
『探求学習』といった言葉ではよく出てきますが、そうではなく『探求の推奨』です。
『知りたいことを知ろうとするって凄いよ~!』って褒めてあげることですね。
小話:理系が得意な子の好奇心と文系との大きな違い
もちろん、好奇心を持って国語や英語、社会科に向かう生徒も少なくありません。
ですが、そういった文系に対する好奇心を持った生徒と、理系に好奇心を持つ生徒とはほとんどの場合大きな違いが見られます。
理系好きな生徒の好奇心の対象
- 理系好きな生徒の好奇心の対象
⇒なぜそうなるのかという現象への興味 - 文系好きな生徒の好奇心の対象
⇒英文や物語の内容への興味
つまりは、理系好きの生徒は『なぜそうなるのか』に興味を持ちやすいのですが、これは文系、例えば英語や国語で言えば、文章や物語の内容ではなく『文法』や『単語の成り立ち』に興味をもちやすいと言い換えられます。
興味がより深いところまで及ぶわけですね。
だからこそ自分で試行錯誤し問題に向かうことを楽しむので、成績的に優秀な生徒が多いんです。
第2位|論理的思考力:挽回できるが幼少期が特に重要
幼児期の重要度 |
4
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成績への影響 |
3.5
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挽回のしやすさ |
3
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こちらも持っている生徒が少ない能力です。
第一位と比べて成績への影響が少ないのですが、この能力は
中学受験や中学以降のテストで最上位を取るために必要な能力です。
ちなみに学校の成績にはあまり影響しませんが、大学受験には大きく影響します。
センター試験が廃止になり共通テストへと変更しましたが、それに伴い思考力を必要とする問題が非常に増えました。
知的好奇心よりは挽回しやすいのですが、基本的に挽回できるのは知的好奇心を持っている生徒が殆どでした。
論理的思考力を伸ばすために必要な教育・知育
論理的思考力を育てるには、幼少期ではまず遊びがメイン。その遊びに色々とプラスしていきましょう。
- パズルやブロック、謎解き等で遊ぶ
- 科学実験や観察を遊びの中で行う
- 数字遊び・トランプ遊びを積極的に行う
- 大人が論理的思考や問題解決を見せる
上三つはあくまで遊びの延長として、本人が喜ぶ範囲で行うようにしましょう。
上で挙げている知的好奇心を伸ばす方法と似ているので、両方を合わせて心がけていればばっちりです。
子供は親の真似をしたがるので、どうしてもポイントとして書く必要があるのですが、論理的思考が苦手な親でも子供は得意なご家庭もたくさん見てきましたので大丈夫です。
パパママが論理的思考が苦手であれば、論理的思考を必要とするゲーム、」例えばクロスワードや数独を解いている様子を見せるなどでもOKでしょう。
第3位|説明的な文章の読解スキルと興味:幼少期に他と一緒に伸ばしやすい
幼児期の重要度 |
3.5
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成績への影響 |
4
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挽回のしやすさ |
4
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こちらも成績上位者であるほど持っている能力、文章読解の能力ですね。
物語が好きな生徒は沢山おり、そういった生徒は総じて国語の成績が良いのですが、説明的な文章の読解となると話が変わってきます。
昨今は英語でも内容理解だけでなく、内容から意味を読み取って自分で答えを考える問題も増えてきていますので、そういった意味でも大切になってきます。
こういった説明的な文章への能力は、他と比べると段階を踏めば比較的挽回しやすいのですが、そもそもこのスキルが無いと数学や理科にも大きく影響が出てしまいます。
さて、あとから挽回しやすい読解スキルですが、それとは別に幼少期しかできない有効な手法がありますので、それを踏まえて伸ばし方を紹介していきます。
説明的な文章への読解スキルを伸ばすには:特に幼少期に『対話型』読み聞かせ
こちらは比較的に分かりやすいかと思いますが、一つだけ、多方面にわたって効果的な方法が含まれています。
- 読み聞かせの習慣と都度言葉の意味を教える
- 物語以外、図鑑や科学絵本を積極的に取り入れる
- 対話型読み聞かせを行う
読み聞かせ等は当然と思われるでしょうが、一番重要かつ効果的な方法がこの対話的な読み聞かせです。そしてこれ自体が幼児期しかできない教育の一つとなっています。
対話的読み聞かせ自体が上で言う知的好奇心や論理的思考力を伸ばすのにも大きく役立ちますので、ぜひ実践してみてください。
- 対話型読み聞かせ
◇読む前に、表紙からどんな内容か子供に予想してもらう
⇒どんなお話かな?等
◇主要な部分で子供に続きや登場人物の様子を予想してもらう
⇒この後どうなると思う?等
◇読み終わった後に感想を尋ねる
⇒自分だったらどうする?等
この対話型読み聞かせは、読解スキルだけでなく論理的思考力、想像力、感情的や社会的な能力もまとめて伸ばすことが出来る素晴らしい手法ですので、ぜひ読み聞かせの際に取り入れてみてください。
まとめ:好奇心と思考力を伸ばして優秀な子供に育てよう
今回は「幼児期に培う」「最上位の学生しか持っていない」能力ととして紹介してきました。
ここで一つ心に留めておいて欲しいこととして、このなかのランキングに
勉強習慣が入っていないことが挙げられます。
ですので、決まった時間勉強をする習慣をつけるよりも、勉強すること自体を楽しめるように誘導してあげてください。
そのためにはいずれの活動も遊びの中で、本人が嫌がらないように行っていくことが大切です。