勉強習慣を付けさせたいんだけど
どうすればいいの?
今回は、塾で1,000人の中高生を指導してきた私が、幼児期からの勉強習慣について紹介します。
勉強習慣があってもテストの点が伸びない生徒って
実はたくさんいるんです。
- 子供に勉強が出来るように育って欲しい
- 勉強習慣を付けたいと考えている
- 日々のルーティンに勉強を入れたいと思う
幼児期から勉強習慣を付けたいという考えのデメリットや
勉強習慣があっても成績が伸び悩む生徒の紹介
そして勉強習慣以上につけて欲しい高学力のための習慣について紹介していきますので、ぜひ見ていってください。
目次
幼児期から勉強を習慣化・ルーティン化することの危険性
将来勉強しなくなったら嫌なんだけど…
勉強が習慣になることはとてもいいことです。幼児期や小学校低学年から取り組むことで、成長してからも自分から勉強時間を取る生徒をたくさん見てきました。
でも勉強習慣だけでは
成績がイマイチな生徒は沢山いました。
勉強ルーティンの失敗例①|目的が勉強時間
実際に勉強習慣があっても成績が伸び悩んだ生徒の事例を紹介します。
- 中学3年の女の子
- 毎日自習室を利用
- 18:30~21:00まで毎日勉強
- テストの成績は8割前後
非常にまじめな生徒なんですけど、キッカリ18:30~21:00に自習して帰っていきます。
成績が伸びずに悩んでいたのでその生徒に話を聞いてみたのですが、頭にあるのは
ということでした。
良いことではあるのですが
この問題が解けるようになりたい!や
何でこの式を使うのか知りたい!
ではなかったんですね。
毎日2時間勉強すればいい点が取れるはず!
という考えみたいでした。
つまりは勉強の内容ややり方は何でもいいから2時間やればいいと思い込んでました。
この生徒はいろいろお話しましたが最後まで目的が『勉強ルーティンをこなすこと』から変わらず、取れても80点中盤というところで伸び悩んでしまいました。
良くなさそうだね
勉強ルーティンの失敗例②|目的が課題の完了
勉強習慣はあるけどテストの成績が上がらない例です
- 勉強習慣がある中高生の多く
- 毎日宿題をこなす
- 提出課題もしっかり提出
- テストの点は7割中盤
この例も文字だけ見ると真面目で勉強しっかりしているように見えるんですよね。
ですが主題にある通り
課題をこなすことが目的になってしまっている生徒達です。
この手の生徒たちは、高得点の生徒たちが持つ
テストで出ても本当に解けるかな…?
何でこの解き方や答えなんだろう…?
という不安や発想が出てこないんですね。
せいぜい「解きなおしたからいいや」や「2回も解いたから大丈夫でしょう」という楽観的観測に終わり、本番ではできないパターンを何人も見てきました。
こんな感じになるみたいです。
賢い子供は勉強習慣ではなく理解習慣と探求ルーティン
どういう勉強してるの?
本当に賢い、高得点域の生徒たちが勉強習慣を持っていないというわけではありません。
勉強習慣を持っていないというよりは、これまで挙げた生徒とは異なり
目的の為に勉強が習慣化していることが多いです。
幼児期~小学低学年につけてしまうほうがいいです
賢い子供の勉強ルーティン|理解習慣
私が勝手に名前を付けている呼んでいる習慣ですが、高得点域の生徒は勉強に対して
理解習慣がついています。
- 内容や解説に自分が納得するまで勉強する
- 学校の授業で理解できない所を質問する
- 例えや類題を使って自分が分かっているか確認する
理解する・理解できてるかどうか確かめるという
習慣が根底から根付いています。
具体的にどんな生徒かというと
とまあ質問攻めだったり自分で進んで勉強したりしてくれます。
時間や量ではなく分かるまで勉強する習慣がついているわけですね。
理解することが目的なんだね!
賢い子供の勉強ルーティン|探求ルーティン
さらに別の特徴として、高得点域の生徒たちがもつルーティンとして
色々なことに対して探求する習慣がついています。
- 勉強した内容を身の回りのもので試す
- 習ったことの条件を変えてにどうなるか考える
- 思考力問題で考えるのが好き
これは少々例を挙げるのが難しいのですが、特に理科では
- 例:圧力の勉強|重さと面積で圧力が変わる
⇒手の上で向きを変えながら筆箱を置いて確認 - 例:速さと力の勉強|坂の角度で速さが変わる
⇒定規の上で消しゴムを転がす
といったように、学んだ内容が本当に正しいのか
実際に確かめる生徒が多いです。
明らかに勉強していないのに賢い子供たちの特徴と理由
あからさまに勉強時間が少なく、遊んでいるのに賢い子というのはいつも一定数います。
何故か賢い子っているよね
あいつは勉強時間が少ないのに何で?という話をお友達から聞くことも少なくないのですが、そういう子こそ上で紹介したように
◆勉強内容を理解したいという気持ち
◆習った内容が実際にどういうことか疑問をもつ気持ち
がより強い傾向にあります。
その結果
- 学校の授業に興味を持って取り組む
- その場で理解しようと試みる
- 結果、授業中に内容を理解してしまう
という好循環が生まれて
他の人から見ると勉強時間が少なくてもいい成績を維持するわけです。
神戸大学など準難関大学やその他大学でも取り入れられています。
模擬授業からのレポートみたいな形で評価されます。
幼児の勉強|正しいルーティンの付け方
実際どうすればそんな風に育ってくれるの?
賢い生徒の勉強の仕方や考え方について説明してきましたが、つまるところ
勉強量・時間ではなく知的好奇心・探求心を育てることを意識しましょう!
時間ノルマや勉強量ノルマを課さない
まずはコレです。
時間や勉強量にノルマを課してしまうと
勉強の目的が『量をこなすこと』『時間をこなすこと』へとシフトしてしまいます。
『賢ければいい』はずですもんね!
よくネット記事や幼児教材の記事で謳われている
勉強時間の目安:○歳なら○○分という数字はあまり意識しないようにしてください。
『お子様に合わせて』って書いてあるもんね
ワークだけでなく体験学習や思考力遊びも意識する
好奇心を育てるのに有効なのが、探索型の遊びや体験型の学びですね。
例として挙げると
- 実験遊び
- 料理体験
- パズル・ブロック遊び
- 自然探索
などが挙げられます。
あんまり勉強って感じがしないね。。。
当然です。なぜなら勉強≒遊びにしてほしいから。
上で『賢い子供は思考力問題が好き』って書いていますが
賢い子にとっては難問≒パズルくらいの感覚で遊びの延長として取り掛かってくれます。
「解けなかったけど面白かった!他にも同じようなのない?」
とキラキラした目で聞いてきてくれるんです。
ですので、そのためにも
勉強=ワークと鉛筆
ではなく
知ること・考えることが遊び⇒勉強って楽しいという方向にもっていきたい。
そのための体験や遊びを増やしていく必要があります。
体験学習や思考力が優秀な教材
ちなみに上で紹介したような体験型の学習だと、Z会幼児コースの体験型教材ぺあぜっとがとても優秀です。
週末は体験学習!くらいの頻度でパパママは若干手間がかかりますが、ルーティンに悩んだり将来を考えるならまずは無料体験してみてもいいと思います。
また、体験学習に加えて思考力やパズルを楽しく手軽に取り入れるという意味では、ワンダーボックスもおすすめの教材です。
アプリなら無料体験申し込み後すぐ使えますし、幼児から出来る思考力パズルが豊富、プログラミングの練習も簡単に始められるので、一度見てみてもいいと思います。
それでも机に向かって欲しいときは?
「うちの子は毎日20分勉強してます」とかあって
不安になるんだけど。。。
確かに出遅れるんじゃないかと不安になることもあると思います。
自分の子供が同年代の記事と比べてワークを進められないと気になりますよね。
でもそこで「まだ20分たってないから勉強しよう!」というと、一気に勉強がノルマ・義務へと傾いてしまいます。
考え方を変えてください!
- 勉強が時間が20分たっていない
⇒20分間興味がもてる教材じゃない - 教材に興味を持ってくれない
⇒教材に興味を持たせる準備が足りない
大人でも嫌いな食べ物は食が進まないのと一緒で、そもそも勉強を好きにさせる下準備が必要です。
下準備の方法は上で挙げた体験学習であったり、はたまた日常的に図鑑やクイズだったりとお子さんに寄りますが、実際に勉強をさせることよりもよっぽど重要なことです。
上手くできないってことだね
ですので、考えるべきは
どうやって勉強をルーティンにしようか
ではなく
どうやって勉強に興味を持たせようか
です。
勉強習慣が無くても興味や知的好奇心さえあれば賢く育つことが珍しくありあせんので、のんびり構えていきましょう!
幼児の勉強ルーティンの下準備例
それでもどうすればいいの?というところで、簡単な例を挙げておきます。
- 決まったタイミングでブロック遊びに誘う
あくまで誘うだけで強要しない。勉強になる遊びなら何でもOK - パパママがドリルやワークを解く
子供は親の真似が大好き!ならパパママが勉強。 - 方向性の違う教材を準備して気の向くものをさせる
子供に飽きさせない工夫ですね
私がそれらを見てると勝手にやってきて一緒にやりだします。
ちなみに成長してから苦手が克服しにくいため、理系の遊びを我が家では優先しています。
思考力ゲーム・迷路やブロック遊び、数遊びですね。
まとめ|幼児の勉強ルーティンはノルマではなく好奇心や体験を優先
今回は勉強のルーティンと実際の中高生の成績から、大切にしてほしいことをお話してきました。
- 勉強習慣だけでは賢くならない
- 本当に賢い生徒は理解と探求を優先する
- ノルマよりも体験学習や思考力を楽しんで欲しい
- 勉強を習慣化したいならその下準備を大切に
習慣よりも優先して欲しい事柄がたくさんあるというだけで、勉強習慣自体は素晴らしいと思っています。
実際、私が見てきた中で上位国立医学部に進んだ生徒は
- 好奇心と探求心が旺盛
- 勉強の順位にこだわりがある
- そのうえで勉強習慣がある
という最上位であるだけの理由をしっかり兼ね備えていました。
勉強習慣自体は悪くありませんが、幼児を賢く育てるためには優先順位がそこまで高くないものだと考えていてください。