
こんにちは!1000人の中高生に理系科目を指導してきた、当ブログ・みらい知育ラボの所長です。このブログでは幼児期から理系の教育、特にSTEM教育(理科、工学、技術、数学)の幼児教育について発信しています。

今回は、「高校受験」や「大学受験」を見据えたうえで、理系にも興味を持ってもらえる子育て・知育を心がけると有利ですよ!というお話です。
この場で言う理系脳、文系脳とは
理系脳:数学や理科に興味がある
文系脳:物語や英語・歴史に興味がある
というだけのくくりとして使用しています。

冒頭にも書いていますが、私は塾の経営をしながら1000人の中高生を指導し、受験へと送り出してきました。そのなかで感じた受験への有利不利について解説していきたいと思います。
目次
受験における理系教科・文系教科の違い

そもそも受験勉強における理系脳・文系脳の教科はどのようになるかというと
理系脳:数学・理科/(数学・物理・化学・生物・地学)
文系脳:国語・社会・英語/(現代文・古文・日本史・世界史・地理・公民)
くらいの括りになります。
ではそれぞれに対し高得点を取るのに必要な能力でいうと
理系:計算力・論理的思考力・解析能力
文系:幅広い知識・理解力・表現力

その通り、どちらも同じくらい大変です。なので学力において「文系が凄い」「理系が賢い」といった優劣をつけるつもりは毛頭ありません。実際、カチカチの理系脳である私は「文系の人すごいな~」って気持ちで指導しているくらいです。
では理系脳が有利、文系脳が不利と考える理由はというと、好きな分野ではなく興味のない分野の勉強しやすさにあります。
理系脳の苦手分野は勉強しやすく、文系脳の苦手分野は勉強しにくい
受験勉強、特に高校受験や国立大学の受験においては全ての教科の勉強が必要になります。理系脳にとっての文系脳分野、文系脳にとっての理系脳分野をつまりは嫌いな教科や苦手な教科をどうに補うかも大事になってくるわけですね。
ではそれぞれにおいて苦手な教科の得点に必要な能力はというと次のようになります。
理系脳の苦手分野:幅広い知識・理解力・表現力
文系脳の苦手分野:計算力・論理的思考力・解析能力

この中で、特にネックとなってくるものとして幅広い知識と計算力を比較していきましょう。
非常に端的に言うと、「たくさん暗記するか」と「たくさん計算するか」の違いになってきます。

どちらも大変ですが、おそらく多くの人はたくさん計算するほうが大変に感じるのではないかと思います。言葉の意味を覚えるために何度も練習するのと、ある問題の解き方を身に着けるために類題を何度も計算するのとだと、計算するほうが大変に感じますよね。
ただ、大変さだけではなくそもそも計算力自体が学生時代は伸ばしにくい能力なのです。
文系脳が計算力を伸ばしにくい理由

さらにこの計算力と呼ばれる能力、苦手な人は輪をかけて伸ばしにくい仕組みとなっています。
学生時代に聞いたことがあるかもしれませんが、計算問題を解いた数だけ計算力が伸びます。重要なのが
×勉強した時間だけ伸びる
○解いた数だけ伸びる
という点です。

ここだけ見ると確かに暗記も同じなのですが、苦手な人が計算力を伸ばしにくい最大の仕組みとして
計算が苦手な人は同じ時間で解ける問題の数が少ないという点にあります。つまりは
1. 計算力を伸ばすためにたくさん問題を解く
⇓
2. たくさん問題を解くために計算力がいる
⇓
3. 計算力を伸ばすためにたくさん問題を…
という連鎖をこなさないといけないわけですね。ここが文系脳が苦手分野を克服するための非常に高い壁となって立ちはだかるわけです。


それに比べて理系脳の苦手分野、暗記などは、覚えた数と覚える速度との関係が比較的小さく、計算力のような堂々巡りはありません。
結果、理系脳のほうが苦手分野を勉強しやすいという結論に至るわけです。
でも国際的な活躍や文学に興味をもってほしい


全然OKだと思います。グローバル社会ですので英語は必須ですし、国際的な分野で活躍している人ってかっこいいですもんね。
今取り上げているのは文系脳、理系脳というくくりでしたが、結局のところ問題となるのは計算力です。理系脳は計算が好きで小さいころから計算している数が多いから受験に有利となりやすい、というだけです。
ですので、英語や文学に興味を持たせつつ幼児期から数字や計算に触れる機会を意識的に増やしておきましょう。

余談ですが、私もカチカチの理系脳から某企業で技術的専門職についていました。でも、私含めほかの技術者たちもよく海外出張し英語で仕事しておりました。理系脳だからといって国際的な仕事ができないわけではありません。
もともと高学歴が多い会社だったということもありますが、技術者組は仕事で必要なので就職後に勉強した、仕事で使ううちにしゃべれるようになったという人がほとんどでした。私見ですが必要となった場面で英語の克服は比較的簡単です。
まとめ:文系に育てたくても計算力は意識しよう
文系脳より理系脳が有利と銘打った記事ですが、つまるところ挽回のしにくい教科が理系にたくさんあるよ、という意味です。
さらに言えばその教科たちは興味を持てるかどうかが幼児期~小学校低学年までに決まってしまいます。
英語が出来るようになってほしい、国際的な活躍をしてほしいというのはもっともですが、幼児期から英語をやっている生徒の中で計算や理科への幼児教育をおろそかにして育ってきた生徒は、上記の計算力の問題で希望進路を変更することが少なくありません。

活躍してほしい方向性があればこそ、幼児期からの理系脳分野、STEM教育分野へも力を入れるように意識して子育てしてみてください!