今回は塾の経営の中で1,000人の生徒および家庭を指導してきた私の経験から、高卒夫婦が高学歴の子供を育てた例、同じようにこうしたら失敗したという例を紹介していきます。
同じ高卒家庭でも勉強できる子と出来ない子では
親のかかわり方が大きく違います
- 子供の成績が良い親・そうでない親の各共通点
- 高卒夫婦から育った高学歴の子供の事例
- 高学歴夫婦から育った勉強が苦手な子供の事例
日々、お子さんの将来や普段の子育ての参考になると思いますので、ぜひ見ていってください。
目次
高卒夫婦の子共でも賢い子とそうでない子では親の接し方が全く違う
当然と言えば当然ですが、本当に違います。
この次に具体的な例を挙げて紹介していきますが、高卒でも賢い子供を育てた家庭は次のような特徴がありました。
- 親が出来ないことは素直に認め、調べ、頼る
⇒子供に対し見栄を張らず・親が学ぶ/調べる様子を見せる - 勉強する・好きになる環境を整える
⇒小さい頃から勉強と繋がる環境を準備 - 勉強する環境は親と子で一緒に整える
⇒夜間のスマホを禁止するなら親も禁止 - 勉強の必要性を話し合う
⇒なぜ勉強が必要なのかを理屈立てて子供に納得してもらう - 成績については指示ではなく問いかけ
⇒「勉強しなさい」ではなく「もっと点とれる?」
逆に学歴は関係なく、もしくは高学歴の親を持つ子供、次のような特徴がある家庭は成績が振るわなかったことが殆どでした。
- 高学歴の親が子育てや知育・教育に無関心
⇒子育てや教育に無頓着な家は学歴関係なく成績が低め - 勉強をしなさいという指示だけ
⇒指示だけで賢くなることは本当に稀有 - 勉強が大変になる時期から勉強に口を出す
⇒大変になる前の興味付けや意識づけを行っていない
私は、本当に大切なのは勉強が大変になる前や、そもそもの幼少期や小学低学年から如何に勉強に前向きな姿勢を作るかだと思っています。
多くの家庭を見てきた経験からもですし、特に理系教科については研究で幼少期が重要とのデータが出ているので余計重要と考えています。
高卒夫婦や低学歴でも子供が賢く育った事例を紹介
では、実際に私が塾で指導してきた生徒たちの中で、賢く育ち高学歴と言える大学へ進学していった事例を紹介していきますね。
ちなみに紹介する事例は理系がメインですが、これは勉強が得意な生徒ほど理系が好きな傾向が強かったためです。
事例①|自分の能力を認め頼る高卒両親と理系高学歴息子
両親ともに高卒で勉強が分からないと言いつつも息子さんは学年トップ、現役で上位国立理系大学にやすやすと進学していったご家庭です。
小さい頃から図鑑を集めて興味を育て、勉強に興味を持ったらすぐ後押ししてきたとのことでした。
他の記事でも取り上げていますが、幼少期からいろいろな物事への興味を育てることで
勉強自体へ興味を持ちやすいのでとても有効です。
そして学歴関係なく勉強が振るわない子供の親と比べて感心したのが
勉強について分からないことを認め、聞き、調べて
謙虚に子供とも関わるという点でした。
子供に対し分からないことをごまかす、調べず知っているふりをして語る、指示するといったご家庭は成績がイマイチであることが多いです。
そのおかげか子供も素直に勉強し、分からないことは調べ、質問、相談するという習慣が身についており、さらには目標となる大学が出来てぐんぐん伸びていきました。
この生徒の家庭の「素直に調べる」「興味を育てる」といった部分こそ勉強する環境を整える部分ですね!
事例②|一緒にやろうで賢く育てた高卒両親と理系息子
息子がスマホにハマって成績が落ちたときは、家族で相談して22:00にはWi-Fiを切断し、親も一緒にオンラインの環境を断ちました!
お子さんがトップの成績を維持しつつ、こちらも理系国立大学に現役で進学していった家庭のお話です。
もともとご両親ともに勉強は苦手だったのですが、小さい頃から勉強の面白さや大切さ、社会で活躍できる職業とそのために必要な学歴といったものを話しながら育ててきたとのことです。
このご家庭が成功した大きい理由として
- 小さい頃から勉強を頑張る理由を与えてきた
- 子供だけでなく親も一緒に頑張る習慣があった
という点が言えます。
ただ「勉強が大事だよ」と伝えるだけではなく「技術系の仕事が凄いから理系メインに勉強が大事だ」と、
目的や理由を持って勉強の大切さ・必要性を伝えていたそうです。
また勉強できる環境を作るため
本人とも話し合い、家族も含めて娯楽を断ったというところがポイントですね。
この「一緒に頑張ろう」は何かを禁止するときだけではなく、知育や勉強をするときも同じく効果があることですので、お子さんを賢く育てたいと考えるのであればぜひ取り入れて欲しい考え方の一つです。
逆に家族が高学歴でも子供が勉強に失敗した例
お次は反対に高学歴の親でも子供があまり勉強が得意じゃなかったというご家庭の紹介をしていきますね。
いずれのケースでも子供が賢く育たたなくても納得の様子になっています。
事例③|「勉強しなさい」で失敗した高学歴両親の事例
両親高学歴、他の兄は現役医学部だけど、娘さんは勉強せず落ちぶれてしまった家庭の事例です。
お母さんの言い分、分かります。私も働いて家事もしているので大変さも良く分かるんですけど、お子さんからしてみると
自分に勉強しろと言いながら休憩してるママとなるわけです。
実際、お母さんは本当に頑張ってましたけど、娘さんは残念ながら勉強する様には育ってくれませんでした。
そもそも娘さん自身が勉強や学ぶこと自体に興味を持っていなかったので余計にやる気をそがれてしまったようでした。
この事例は、別に親が資格の勉強をしているから当てはまるわけでは無く、子供が勉強する気持ちを育てずに「勉強しなさい!」とだけ指示する家庭は全体的に成績が悪い傾向がありました。
事例④|国立大出身医者のパパが無頓着で勉強が苦手に育った事例
私立の一貫校に入学させて塾もいっぱい通わせてます!
お医者さんですからお忙しいのは分かるのですが、本当にお子さんについて何を聞いても「知りません」「そうなんですね」という反応が返ってきていました。
お子さんもお父さんの病院を継ごうとしていますが、学力的には医学部には遠く及ばず、学校でも中の上から上の下、少なくとも2浪してしまったご家庭です。
このお父さんはとても賢く、国立大学の医学部出身ですから本当に高学歴なのですが
高学歴でも教育に関わらなければ賢く育たないという当たり前ではありますが分かりやすい事例です。
そしてある程度成長してしまってからでは学習への興味は湧かず、ひたすらに親の病院を継ぐために義務として勉強に苦しい思いをしながらかじりついて頑張っていました。
ちなみにこの生徒のクラスメイトでも同じように開業医の息子がいましたが、そちらも同様に医者の父親は教育に無頓着で、同じように勉強が振るいませんでした。
それでもこの家庭は「勉強する目的」がある分、本人的には辛くても頑張って勉強しようと机に向かった例ではあります。
まとめ|高卒夫婦でも高学歴の子供は沢山いる・その反対も沢山!
私が見てきた中では高卒夫婦の子供が高学歴になった例も、高学歴家庭の子供が低学歴となった例もたくさんありました。
ですが、実際のところ割合としては高学歴の家庭のほうが勉強が得意な子供となる例が多いです。
ですがそれは遺伝というよりは、子供が幼いころから勉強に興味を持つよう関わり方をしているかどうかに関係していると思います。
ですが、今回紹介したように
- 子供の疑問を調べる
- 子供と一緒に学ぶ
- 勉強する環境は一緒に整える
- 勉強する・しないの目的や原因を考える
といった点を心がける家庭は親の学歴関係なく子供が高学歴となる割合が高いので、意識してみてください。
そして何より賢い子供にとっては勉強が苦ではない、強制されて義務的にこなすものではないという点も知っておいてもらえたらと思います。
叱られながら行う事は勉強に限らず嫌なものですので、如何に気持ちよく勉強に向かえる環境・興味を整えていくかが大切だと思います。