今回はこれまで私が教育論文について調べ、実際に私が塾で見てきた生徒たちの実情合致する内容を紹介していきます。
- 幼児期を逃すと挽回しにくい能力
- 幼児期のお勉強について見逃がしやすいコト
- 研究で効果が実証されている幼児教育
- おすすめオモチャと気を付けて欲しいオモチャ
これから幼児教育や知育を始めるご家庭、そのなかでも『幼児教育頑張るぞ!』と意気込んでいるパパママこそが見落としがちな点に焦点を当てた内容となっていますので、ぜひ見ていってください。
目次
理系分野は幼児期の能力が中学の学力に強く関係する
最初はこちらです。
これまでの記事でもいたるところで紹介している、理系分野の勉強について。
特に数学と理科は幼児期の能力差が中学の学力差になります。
有力・代表的な研究の結論を抜粋すると次のようになります。
- コロラド大学の研究(2013年)より
幼児期の数学能力は中学3年生の数学の成績と強く結びついている - Morganらの研究(2016年)より
幼少期の時点で一般知識の量に差の開きがある
知識量が少ない子は小学3年~中学3年の間理科の成績が低い傾向がある
もちろんある程度の挽回は効くのですが、私が塾で1000人の子供達を見てきた経験上、小学校高学年で算数理科が苦手な生徒はほぼ苦手を克服できません。
逆に好きな子・得意な子は勉強を楽しんでどんどん難問に挑戦していきます。
苦手な子でも理科であれば暗記単元なら点が取れる、数学の基本計算はバッチリといったところまではある程度誰でもこぎつけることが出来ますが、その先を克服できた生徒はいませんでした。
幼児教育と言えば、特に幼児期からの英会話がフューチャーされることが多く、力を入れている幼児教室も沢山あります。
ですが英語は挽回しやすいが理数系は学生期間中の挽回が非常に困難ということを覚えておいてください。
小さい頃の勉強で大切なのは勉強習慣『ではない』
幼児のころから毎日机に向かう習慣をつけておけば、小学校入っても勉強習慣がつくからOK!
こんなお話をよく耳にします。そしてもっともらしい話ですね。
ですが、ここに大きな落とし穴があります。幼児期からの勉強習慣にこだわりすぎると知的好奇心が育たなくなります。
ココも勘違いされがちですが賢い子は机に向かう習慣ではなく、学んだことを理解しようとする習慣を持っています。
賢い子は机に向かうから理解するのではなく、理解する手段の一つとして机に向かうわけです。
そして理解しようとする=知的好奇心が旺盛というわけですね。
『賢い子』と『勉強習慣はある子』ですが、実際に次のように勉強の姿勢に違いが出てきます。
ひょっとしてこういう事?
よし!できた!
じゃあ似たようなこの問題も出来るかな・・・?
とまあ、こうなります。実際こうなっている子をたくさん見てきましたし、勉強習慣『だけ』の子は成績が伸び悩むんです。
また冒頭にもある通り教育熱心なパパママの『幼児期から毎日○○分机に向かう時間を作ろう!』という考えこそ知的好奇心を育ちにくくする可能性があります。
なぜなら
- ケンブリッジ大学2012年のレポート他多数の研究より
知的好奇心は自由な遊びや経験によって育つ
とされているからです。
自由な遊びをしている=やりたいことをしている=好奇心に基づいて経験している
つまり自由遊びや体験をさせるということは、好奇心に基づく活動を推奨することに繋がるわけですね。
さらに幼児は自分の中で色々な予想や試行錯誤などに基づいて遊ぶことで高校生や大学生が実験で行うような操作を繰り返して遊んでいることも判明しています。
勉強習慣が不要だとは言いませんが、幼児期に優先すべきは知的好奇心であり、机に向かっての勉強を習慣付けようとパパママが意気込むと知的好奇心を育てる機会が減ると思っておきましょう。
そもそも幼児期の勉強は紙と鉛筆がメインではない
幼児の将来的な学力に繋がるのは知的好奇心、そして知的好奇心は自由な遊びや経験によって育つという話でしたが、遊びだけでなくお勉強も大切だと思うパパママは沢山いると思います。
正直遊んでいるだけだと小学校に入学してからついていけるか心配になりますよね。
ここで『幼児のお勉強』や『勉強の先取り』というと、どうしてもテキスト調の教材やプリント学習などが有力なものとして出てくると思います。
ですが『お勉強=紙と鉛筆』ではなく
『お勉強=学習に繋がる全ての経験』と認識を改めましょう。
紙と鉛筆の勉強がダメってわけでは無く他の事も勉強ですよって意味ですね
もちろん上で紹介したように自由遊びが大事という部分もありますが、紙と鉛筆による勉強書き取りなどにこだわりすぎると、「お勉強してくれない」「うまくできない」「教えたことをやらない」といった具合で親もイライラしてしまいます。
さらに
- 学校ではノート以外の勉強の時間が多い
- 賢い生徒ほど実体験と学習内容を繋げて理解する
という事実と研究結果が出ていることからも、机に向かうことも色々な経験も含めてバランスよくお勉強と考えるようにしましょう。
そもそも学校授業の半分はノート以外
幼児期にひらがなの書取りや数のお勉強をすることなどは学校でやる授業の先取り学習になります。
でもその学校でやる授業の半分はノート以外のことをします。
理科の実験などは言うまでもなく体験することが授業ですし、国語は聞く・読む・考えることが需要の中心です。ノートがメインの算数でも、新しいことを習ったらすぐに実生活に置き換えた問題が出てきますよね。
つまり、紙と鉛筆でする勉強だけでなく勉強に繋がる経験も立派な先取り教育です。
勉強に繋がる経験の例を挙げると
- 算数:積み木遊び(図形)やおはじき(数)
- 理科:散歩・自然観察
- 国語:絵本の読み聞かせや普段の対話
- 社会:おままごとや日々の生活習慣
といった具合ですね。
これら、少なくとも生活習慣以外は一般的に『遊び』の範疇としてみられています。確かに遊びでいいのですが、この遊びがそのまま小学校での先取り教育になるわけです。
ですので
お勉強させなきゃ!⇒教材買ってきて解かせよう教えよう!
ではなく色々な経験をさせることもお勉強だと考えるようにしましょう。
賢い生徒の頭の使い方
上の方でも紹介していますが賢い生徒の多くは理解しようとする意欲が高く、さらには理解力自体も高いです。
理解力が高いというのは、学んだ内容を身に付けるのが早いという意味で受け取ってください。
そして理解力が高い生徒は、例えば文章で新しいことを学んだ時に次のような頭の動きをしています。
- 学んだことを細かく段階に分ける
- 勉強した内容を言い換えや例え話に変える
- 現実世界の経験と結びつける
- 1~3のような自分の推論が合っているか確かめる
このうち2,3は実際の経験が無いと出来ないことで、さらにこのような理解の仕方も幼児期から身に付くものとされています。
この理解の方法は理系への興味とは異なり成長後も身に付けることが出来るのですが、少なくとも成績に差が付く中学校から塾に通って克服できることは稀です。
ですので、将来の勉強に結び付く体験、その体験と結びつく勉強を取り入れることを心がけましょう。
国際的な勉強よりもSTEAM教育
色々なところで重要性が謳われるようになったSTEAM教育(理科、技術、工学、芸術、数学教育)ですが、これも幼少期からでなければ身に付きにくいといわれる教育の考え方です。
日本でSTEAM教育について調べるとたくさん出てくる物だと
- プログラミング教材
- ロボット組立教材
- 実験キットなど等
と、確かに理系的な教材や勉強が沢山出てきます。ですが、STEAM教育の概念も文部科学省が掲げている教育も重要なのはのはソコではなく
理系文系含め学んだ知識を総合的に問題解決に使う力
という部分です。『教科等横断的な学び』とも呼ばれますが、ここが見逃されがちな点に注意しましょう。
例えば私が料理で鶏肉を流水で解凍するときは、ある程度解凍が進んだら一度取り出していくつかに切ってから再び流水で解凍します。
これ、別にこの方が早く解凍できますよ~って何かで見たわけでは無いです。そんな調べるほど料理好きじゃないし。
ですが
- 目的は家庭科:料理するために鶏肉を早く解凍したい
- 物理知識:空気より水のほうが熱伝導率が高い
流水で対流を作ったほうが熱が早く伝わる - 国語知識:小学国語で読んだ『ガラパゴスペンギン』の話
ガラパゴスペンギンは体が小さいから熱をよく輩出できる - 解決方法:鶏肉を小さくして流水にさらす
とまあ、目的は料理ですが物理学と国語の知識を使って勝手にやっています。
これでいえば家庭科の為に物理と国語の知識を使って鶏肉の早期解凍という目的を達成しているわけですね。この複合的に知識を使う考え方がSTEAM教育に当たります。
さて、幼少期からの教育が推奨されるこのSTEAM教育、こういった教科の枠組みにとらわれない問題解決の仕方ですが、これもまた出来る子と出来ない子が完全に二分します。
もちろん出来ない子は勉強が伸び悩みます。
そして、出来ない子は勉強したものが他の事と全然結び付きません。
今勉強したことって身の回りではどんなことなのかな~っていう思考パターン自体を持っていないんです。
テストの為にするもの!
他の生活とは関係ないしどうでもいい!
といった具合に凝り固まってしまい、応用力が全然つきません。見たことのない問題は類題でも手が出なくなります。
ですので、小さい頃から勉強内容と生活との繋がりを意識させてあげましょう。
自由遊び=勉強になる『環境』を作ることが重要
これまでの話をまとめると
- 幼児期から理系を意識した教育が必要
- 机に向かう習慣よりも好奇心が大切
- 好奇心を育てるためには自由遊びが重要
- 様々な経験をすることも勉強と考える
- 教科に縛られない総合的な教育が大事
となります。
つまるところ、上の条件を満たす教育を準備すればいいということになるのですが『じゃあ具体的にどうすればいいの?』というところが引っかかると思います。
ですので、簡単にどうすべきかを次に紹介していきますね。
勉強になる自由遊びの環境を整える
まずは環境を整えることから。
環境を整えるというのは、例えば子供の遊びスペースを準備するような感覚ですね。
遊びスペースの中に
- 絵本・図鑑コーナー
- お絵描き・読み書きコーナー
- 積み木・ブロックコーナー
- おままごとコーナー
- 数遊び・パズルコーナー
といった特定のオモチャなどを置いておき何して遊ぶ?好きに遊んでいいよ?と自由に遊ばせ
さらに遊び方や読み書きで困った際には保護者がフォローするという形です。
子供は自由に遊びますが、自由に見えてお勉強に繋がる体験・経験が豊富となるような環境ですね。
ですが幼稚園のように本格的にこだわる必要はなく
- 子供が自分の意思で自由に遊べる
- 勉強になる遊び道具が子供に見えて選べる
- 必要に応じてパパママの助けが入る
- 時に見本を見せてあげる
という点を満たしていればいいわけです。
簡単に言えば勉強になるおもちゃが見える場所にあって好きなように遊ばせてあげればいいわけです。
ただ、特に2,3はパパママが意識する必要があり、とくに綺麗好きなパパママだとおもちゃを目に入らないない場所に片付けてしまうこともあると思いますので、そこはお子さんの選択肢に入るよう気を付けてあげないといけません。
自由遊びの環境に理数系の勉強や体験を含める
一番初めに書いているように、理系分野は幼児期の能力が中学以降の学力と強く関係しています。
ですので、自由遊びの環境においてもそういった遊び・体験の場を設けるように意識しましょう。
例えば
- トランプ・おはじき
- パズル・磁石ブロック
- 簡単な科学キット
- 虫眼鏡や望遠鏡など光学キット
- 散歩や散策の提案
- 色々な種類の図鑑
みたいな形ですね。
そして興味をもってしてきた質問に対しては必ず
- 答える
- 一緒に調べる・考える
- 質問の答えは何かを話し合う
といった返しをしてあげましょう。そのためにも図鑑はある程度の数を揃えたいところですね。
理科は目に見えない物ほど苦手が増える
私の経験上、理科は単元で好き嫌いが分かれるのですが、苦手な人が多い順に
物理>化学>>地学≒生物
という順番になります。
そして、これそのまま普段の生活で目にしにくい順になっています。
物理であれば、物の動き、バネ・磁石・電気の力、光といった、ありふれすぎていて意識しないと気付かない現象ですし、化学であれば火を付けたり水に溶かしたりと、こちらも意識しないと取り組まない経験になります。
半面、地学であれば天気や地形といったそのまま目に入るもの、生物であればそもそも生き物自体子供が喜ぶものです。
せっかく理科の環境を整えるのであれば生き物だけでなく物理や化学を意識すると将来の苦手が減らせることと思います。
机に向かうお勉強も選択肢に入れる
自由な遊びや体験が重要という話をしてきましたが、この『自由な遊びや体験』の中に『机に向かうお勉強』も選択肢として入れてあげましょう。
あくまで強制する形や義務として行う勉強活動が良くないというだけで、子供が自分からやりたい!というのであれば書取りや計算といったいわゆるお勉強もとても効果的です。
バランスよく取り入れることが大切というわけですね。
遊びと勉強と生活を結び付ける
ここが一番パパママが意識しないと難しい点になってきます。
紹介してきた通りお勉強を紙の中だけで終わらせるのではなく、本人の実体験と結びつけるような声掛け・工夫を忘れないようにしてください。
- 数のお勉強であれば、おはじき等実物を交えてやってみる
- 野菜の名前であれば本物の野菜をスーパーで見せてあげる
- 形のお勉強をするなら家の中にあるもので同じ形を探す
といったように、机に向かうお勉強でも紙の中と現実世界とを繋げる意識を持つようにしてください。お料理なんかは完全に理科・化学の実験ですので、どんどん手伝ってもらうのも良いですね。
逆に理科や数学の数字以外は意識しないと結び付きにくいですね
パパママとの会話=ディスカッション!お話も立派な勉強
これも忘れられがちですが、パパママとの会話も立派な勉強です。
会話というとお勉強感が薄れるかもしれませんが、より勉強らしい言い方をするのであれば
対話やディスカッションですね。
お子さんと何かについて話す中で、お互いの意見を出し合って一緒に考える習慣を付けましょう。そもそも文部科学省が期待している新しい学習は、『主体的・対話的で深い学び』です。
実際、パパママは子供の疑問に対して最適解を知っていることが殆どです。ですので次のような意識を持つようにしてあげてください。
- 子どもの考えを尊重する
お子さんが自分の考えや意見を自由に表現できるようにしましょう。たとえ親が答えを知っていても、まずは子どもの考えを聞くことが重要です。子どもは自分の意見が大切にされていると感じ、自信を持つようになります。 - 答えが決まっていない質問をする
お子さんへ開かれた(答えが決まっていない)質問をしましょう。「どう思う?」や「どうしてそう思うの?」などの質問は、思考の発展に繋がります。 - 教えるよりもガイドする
直接答えを教えるのではなく、自分で解決策や答えを見つけることができるようにサポートしましょう。ヒントを与えたり、関連する経験を教えることが大切です。 - お話や対話を楽しむ
学習は楽しいものであるべきです。対話を通じて、お子さんが考えることに喜びを感じられるようにしましょう。嫌な思いをさせてまで考えさせる必要はありません。 - パパママが忍耐を持つ
幼児はまだ完全には発達していないため、大人のような複雑な思考は期待できません。自分のペースで考え、学ぶことを応援しましょう。正解にたどり着けなくても全然OKです!
おすすめの知育オモチャ
最後に私がおススメできる幼児期にお勧めのおもちゃを紹介していきます。
あくまで私の環境で取り入れているものですので、勉強内容と繋がるおもちゃであれば大体はOKだと思ってください。
磁石ブロック『ピタゴラス』シリーズ
出典:Pelple HP
こちら、1歳からなが~く使えて、算数にも理科にもなり、試行錯誤する力も付くおもちゃとしてとってもおすすめです。
私の家は大量のピタゴラスブロックであふれかえっています。
他にもいろいろと似たようなオモチャがありますが、『色々な経験をさせる』という点においてはこのピタゴラスシリーズが一番です。
ちなみに大きい括りで言えば積み木遊びも同じで、レゴブロックといった特定の形を組み合わせて別の形をくみ上げる類のものが全体的におすすめです。
100玉そろばん
100玉そろばんです。
これは2歳くらいからですね。
オモチャとしてというよりも、普段の生活で数の話が出たときにすぐ実物で説明する為のオブジェとして常に見える所に置いておいて欲しいというものです。
あるだけで数の計算が身近になりますので。
3歳、4歳にになって二桁の数が分かるようになってきたらおはじき等で説明するのは大変なのと、数や計算といった部分を目に見える形として常備するという意味でお勧めしています。
たくさんの図鑑
興味を持ったらすぐ調べる、興味を持つきっかけをつくるという意味で図鑑は沢山集めて欲しいです。
幼児期の一般知識の差がそのまま中学理科の成績差に繋がるのであれば、知識を増やすという意味でもやはり有効ですね。
ポイントとしては買う図鑑が生き物系の図鑑『だけ』で終わらないこと。鉱石や宇宙図鑑といった、子供受けがイマイチなものもきっかけとして準備するように心がけておいてください。
数学や理科につながる絵本
幼児期の絵本の読み聞かせは、どんなものも将来の学力向上と社会的能力の成長に効果的であるとされています。
せっかく絵本の読み聞かせを行うのであれば、数学的な絵本や理科の絵本も取り入れてみてください。
我が家も科学の友、自然にタッチ、はじめてであうすうがくの絵本シリーズなどが大活躍しています!
なぞなぞ・めいろ本
3歳後半から4歳くらいになると出来るようになる、迷路やなぞなぞ本もなかなかに活躍します。
これらが有効な点は『頭を使うことを遊びにする』本である点ですね。
あまりおすすめしないおもちゃ
おすすめのオモチャとは逆に、あまりお勧めしないおもちゃも紹介しておきます。
買ってはダメ!ではなく、このようなオモチャばかりになったら微妙ですよ~くらいのニュアンスで受け取っておいてください。
いわゆる女の子向け幼児オモチャ:お人形やぬいぐるみ『だけ』は微妙
特に女の子なんかだと人形やぬいぐるみのおもちゃが多くなると思います。お人形遊びやおままごとは、人間関係などの社会的な能力発達にはとっても効果的です。
ですがこういったおもちゃ、科学的要素や工学的要素が非常に不足しています。
例えばロボットのおもちゃであれば、同じ人型でも機械的要素、電気駆動であればさらに物理的要素といった教育要素が加わり、その構造への興味が科学技術への好奇心として発展していきます。
ですが、お人形はそうはいきません。
ですので、お人形やぬいぐるみ、おままごとセットなど、いわゆる女の子向けおもちゃばかりだと理系が苦手になる可能性があります。
ですので、そういったおもちゃはダメではありませんがほどほどを心がけましょう。
同じ理由でただキャラを模しただけの人形は男の子向けだろうと教育効果が薄くなります。
子供が好きなキャラクター物ばかりに頼ると危険
将来のお勉強も含めて、かわいいキャラクターやお子さんが好きなキャラクターのお勉強グッズは、机に向かわせる効果が抜群です。
ですが、あくまできっかけとして効果的なだけであり、それを継続して使用することはやや危険です。
心理学で研究されている学習意欲のモデルとして次のようなものがあります。
- ご褒美や罰などによる学習意欲は短期的
- 順位や学歴の為に起きる学習意欲は中期的
- 探求心や好奇心の為の学習意欲は長期的
これに対して、キャラクターなどを利用する学習意欲はご褒美による短期的な学習意欲と同じです。
つまりキャラに頼りすぎるとお勉強が長続きしない要因になりかねません。
ですので、学習の動機づけに使うのは悪くありませんがキャラ目当てに勉強する!とならないようにしてあげてください。
もちろん『おやつあげるから勉強しよ!』も同様ですね。
幼児期は将来と繋がる教育が盛りだくさん
私が塾を経営する中で、なかなか成績が伸びない中高生について頭をひねり論文を読み漁っている時、たどり着いたのがなんと幼児教育でした。
勉強嫌いな子や数学が苦手な子が全然克服できない、その原因が幼児期にあるという、衝撃的な結論に頭を抱えたものです。
何度も言いますが特に理系の能力と知的好奇心は本当に克服できませんので、人気のある英語教育よりも小さい頃から意識して取り組んであげてください。
また、今回紹介したような内容を実践する自信がないのであれば幼児教材に頼るのも手です。
理科であれば年少からはZ会幼児コース、数学や幼児教育全般という意味ではモコモコゼミがどちらも今回紹介した研究結果によく則していておすすめです。
逆に有名なこどもちゃれんじは2歳児まではおススメですが、年少以上のコースはおススメしていません。
これも今回紹介した研究に則った理由です。
何にせよ、今回紹介した研究は『幼児教育頑張るぞ!』と意気込んでいるパパママこそが勘違いしていることが多い内容ですので、今後の子育ての参考になればと思います!