
受験の要は理系にあり、理系の要は数学にあり、幼児期の数学スキルは中学高校の数学の学力に強く結びつきます(アメリカの数多くの研究より)。

数学と言えば計算、計算と言えばそろばん、幼児には100玉そろばんですね。
とはいえ様々な100玉そろばんが価格も様々に販売されていますので、どれを買えばいいか迷う家庭もあると思います。
今回は、将来的に数学が得意になるためにはどの100玉そろばんが有効か、幼児期からの理系教育・STEM教育について研究している私が比較・分析・紹介していきます。
目次
子供の能力・年齢別おすすめのそろばん選び方
さて、簡単に分けて100玉そろばんには次のような特徴による区別があります。
- 数字板がついているかどうか
⇒玉の後ろに「12」など対応する数字があるもの - 玉に5個ずつ色分けがあるかどうか
⇒1~5と6~10の玉が別の色かどうか - 玉を左右に分けたとき真ん中が隣の列と被るか
⇒被るものはイマイチなので紹介しません - 木製かプラスチック製か
⇒長く使うなら木製、すぐ一般的なソロバンに移行するならプラスチックでもOK - その他のオプション
この区別の中でも特に重要なのが数字板と5個ずつの色分けですので、次の年齢別の話まで覚えておいてください。
実際のところ、色々なメーカーが出している100玉そろばんがありますが、それぞれいい点悪い点があります。
ですが大切なのはそろばんの良し悪しではなく今のお子さんにとって良いかどうかですよね。
では上のそろばんの区別を踏まえ、お子さんの数字・そろばんに対する能力がどれくらいの段階にあるかチェックしましょう。
- 1~10までの数字が読める
- 11~の2桁の数字が読める
- ○○○=「3」と個数と数字が結び付いている
- ○○…×21個=「21」と2桁の個数と数字が結び付いている
⇒これは99までではなくある程度で構いません - ○○○○○○=「6」と数えなくても5~9の個数が分かる
⇒幼児教室などでフラシュカードをしている家庭など。 - 2桁の意味が分かり簡単な計算が出来る
⇒1桁+1桁で繰り上がりが分かる程度。
※ここで言う「結び付いている」は、「○○○」=「サン」=「3」という、個数と音と字が結び付いているという意味です。
子供や家庭の様子から見る100玉そろばんの選び方
ここからの100玉そろばんの選び方ですが、お子さんの数字の認識レベルが上で言う
④までであれば数字板付きを買いましょう。
2桁の数字の理解までですね。

数字板は紙製のこともあるので、お家でのおもちゃの取り扱いの様子によってもまた選び方が変わってきます。
そして次に目視で理解できる個数についてです。
上の認識レベルで言う
⑤が出来ないのであれば5個ずつ色分けしているものを買いましょう。
この辺りは認知心理学や発達心理学から、一般的な教育を受けた人間には一目で数えることが出来る数が4~5個までだからです。
フラッシュカードで目算が得意であれば色分けはどちらでもOKです。
⑤は出来る必要はありませんので、そういった意味でも色分けしてあるものが好ましいです。

そして⑥のレベル、2桁の概念と数字をもう理解していて
計算の練習をメインとする場合は数字シートは不要です。
さらにこの辺りのレベル、大体小学2年生前後ですので、小学三年生の算盤の授業が迫ってきています。
つまりは普通のソロバンへの移行が近いため、下に兄弟がいないのであれば耐久性の低いプラスチック製でもOKになってきます。

6歳までのお子さんにおすすめの100玉そろばんは数字板付き
多くの小学1年生・幼児・未就学児が当てはまるであろう「2桁の数字と個数の結びつきがまだわからない」場合は、絶対に数字板付きがおすすめです!
当然ですが個数と数字を結び付けることが簡単だから!

【数字シート付】くもんの玉そろばん120
- 数字シート&イラスト付き
※イラストでそろばんの玉と数を結び付けやすい - 1~5と6~10で色分け
- 120まで数がある
- 本体が木製で頑丈
迷ったらこれを買えば大丈夫です。
色分けも青と赤、5個区切りで分かりやすく、数字シートで個数と数字との結び付けもばっちり。
さらに2桁で終わらず120まで数があるので3桁の学習へもスムーズに入れます。
なお、小さい弟や妹がいるご家庭には手放しではお薦めしません。

数学を苦手とする中高生が多いため、私としては数字に強くなるアイテム・100玉そろばんを常時手の届くところにおいて欲しいと考えています。
小さいお子さんがいるご家庭だと、上手く親が管理しないと、せっかくのポイントの一つである数字シートを痛めてしまいやすいので注意してください。

【本体に数字】学研の木製100だまそろばん
- 1~100までの数が本体に印字
- 数の印字含めて木製で頑丈
- 勉強の補助シートやカードが豊富
⇒補助シートの他に数字や個数のカードもある - 1~5と6~10で色分けが無い
こちらは数字板まで木製で本体に組み込まれているのでとても頑丈。
小さいお子さんがいても要の数字が無事で済みます。
上の画像からAmazonへ飛んで確認してもらうと分かりやすいのですが、学習を補助する付属シートが豊富で進め方が分かりやすいです。
ですが5個ずつの色分けが無いという問題点があります。

これで色分けがあればバッチリだったんですが。。。
下のほうで説明していますが、2歳のクラッシャーがいるので
我が家はコレを改良して使っています
初めはいいかもしれませんが、計算が入ってくるとやはり『5』という個数は区切りとして重要となってきますので、視覚的にその補助があったほうがいいと思います。
私の家では2歳の子もいて数字シートが貧弱だと心もとないので、この数字板も頑丈な学研の100玉そろばん、玉に5個ずつ白いテープを張って使用しています。


時間が出来たら塗装に変えます笑
【数字シート付】 七田式百玉そろばん
- 数字シート&イラスト付き
- カラフルで小さい子は興味を持ちやすい
- 本体が木製で頑丈
- 大きくて触りやすい
- 1~5と6~10で色分けが無い
有名な七田式の玉そろばんですね。
イラストがかわいく全体的にカラフルでかわいい点が幼児の興味をひきやすく作られています。
ですが数の勉強という意味では幼児向けとしては微妙でした。
数字シートの耐久性が低く5個毎の色分けが無いという、くもんと学研のイマイチな点を合わせてしまっています。
6歳まで、幼児向けというよりは小学生の計算練習補助に使ったほうがいいと思います。

大きくて触りやすく、頑丈で長く使えるという点はいいので、使うのであればパパママがDIYを頑張って5個づつ色分けしてあげてください!
数字付き100玉そろばんのおススメまとめ
2桁の個数と数字との結びつきがイマイチ理解できていないご家庭は、数字シートや板の付いた100玉そろばんがおすすめで、さらに5玉ずつ色分けされているものを選びましょう。
◆個数と数字の繋がりが分からないなら数字付きを買うべき
- 台紙を丁寧に扱うことが出来る
⇒くもんの玉そろばん120がおすすめ - 台紙の扱いが心配で簡単なDIYなら頑張る
⇒学研の木製100玉そろばんがおすすめ
本音を言えば学研の木製100玉そろばんが5玉ずつ色分けしてあればベストだったのですが、そこは無いので仕方がないと割り切りましょう。

計算練習レベルであれば5玉の色分けがあるものがおすすめ
2桁の個数の概念と数字の結びつきが大丈夫なお子さんであれば、数字板は不要です。ですが
5玉ずつの色分けがあるものがおすすめです。
後日別の記事で記載する予定ですが、児童の計算において5を起点として効率的に計算することができますし、アナログ時計の理解も助けやすいためです。
【5玉色分け】くもんの玉そろばん120
上でも紹介しているくもんの玉そろばんですので、詳しくは上部をご覧ください。
2色で分けてあるうえに120玉まであることがポイントですね。
【5玉色分け】トモエそろばん アバカス100
- 5玉ずつを2色で色分け
- 頑丈な木製
- 小学校で最も採用されている
- 50の区切りも色の反転で表現されている
小学校で最も採用されている、トモエの100玉そろばんです。
採用率はそのまま使いやすさを表していますが、特徴的なのは1~50までと51~100までとで玉の色が反転している点です。
50と50で100という、大きな数字の理解を視覚的に助ける点が使いやすさの上でさらなる利点となっています。

5玉で色分けがある100玉そろばんのおススメまとめ
繰り上がりや2桁同士の計算、時計の観かたなどに結ぶ付けるために5玉で色分けしてある100玉そろばんがおすすめ。
◆計算を助ける意味でも5玉で色分けしてあるものを買うべき
- 下の子にも使う予定がある
⇒くもんの玉そろばん120がおすすめ - 50以上や2桁ずつ計算にも活かしたい
⇒トモエそろばん アバカス100がおすすめ
5玉で色分けしている100玉そろばんは他にも様々な製品が出回っていますが、長く使うのであればコスパを踏まえても正直上の2つから選べばいいと思っています。
逆にすぐ普通のソロバンに移行するのであれば、2色に分かれていればプラスチック製でもどれでもOKでしょう。
まとめ|お子さんのレベルに合わせたそろばん選び
基本的に100玉そろばんは長く使う知育おもちゃ・教材ですので、木製のしっかりしたものを購入することがおすすめです。
冒頭でも書きましたが、幼児期の数学スキルは中学高校の数学の成績と強く関係していますので、数にも数字にも計算にも早い段階から親しみを持てるように促してあげましょう。

少なくとも私が塾経営の中で出会った数学が苦手な生徒たちは、幼少期から苦手を抱えていることが多いです。
是非とも将来の受験を見据えて興味を育んであげてください!