今回は将来の『自分から勉強する力』やSTEM教育(理科、技術、工学、数学)、実社会で必要となってくる重要な能力、メタ認知力を幼児期から育てる方法をご紹介!
塾を経営する中で数多くの生徒を指導してきましたが、このメタ認知力の差が勉強の進め方・学力に強く結びつく上に、その差がなかなか埋まりません。だからこそ幼児期から意識して欲しいメタ認知力。
では具体的にどんな違いがあるのか、いつ頃からどうやってメタ認知力を育てていくのかを、実例や研究論文をもとに紹介していきますね!
- メタ認知力が高い子と低い子は勉強の姿勢が全然違う
⇒メタ認知ってどんなものかも参考になります - メタ認知力は3~5歳の幼児期から培われる
- 具体的に幼児のメタ認知力を伸ばす方法
文部科学省の学習指導要領にも育成について記載されていますので、将来お子さんを賢く育てたい、社会に出てからも活躍して欲しいと考えているパパママは是非見ていってください!
目次
具体例|学力差・勉強の仕方とメタ認知力の差
<<メタ認知力の高い低いで将来の勉強にこんな違いが出ますよ!>>
そもそもメタ認知とは、と紹介しても抽象的や概念的な表現が多くなりますので、まずはメタ認知力による将来の勉強の差を見ていきましょう。
以下は私が経営している塾で、テスト前の生徒とのやり取りです。
◆◆テスト前の講師と生徒の会話例◆◆
さて、学年トップと平均、どちらの子もテスト勉強の進捗は把握していますが、このトップの子と平均の子のテスト勉強の仕方は次のような違いが出ています。
- 学年トップの子の勉強の仕方
⇒高得点を取るために自分に必要な勉強内容を把握している
⇒『自分自身が理解している内容としていない内容』を理解している
⇒理解度に自信があっても『自分が知らない内容』を警戒している - 学年平均の子の勉強の仕方
⇒課題の進捗は把握しているが『自分の理解度』は考えていない
⇒勉強内容は与えられた課題しか考えていない
ということで上の例で行くと、メタ認知力が高い子の考え方が学年トップの子!
この学年トップの子は自分自身の理解度を自己評価し、高得点を取るために必要な勉強を自分で考え主体的かつ計画的にに勉強しています。ここが勉強におけるメタ認知力と言ってもいいでしょう。
平均の子は課題の進みだけで自分の能力の話は何もないね
実際に数多くの子供を見てきましたが、この傾向は極端な例ではなく、成績と合わせてかなり明確に分かれる点でした。
そして私の実体験だけでなく、
メタ認知能力が高いと学力も高くなる
という傾向は様々な研究結果が示していることです。
習慣的にメタ認知力を使っているかどうかの差なのだと思いますが、メタ認知力が低い子の勉強の仕方はそう簡単には直りません。
自分の能力を評価するよりも目の前の課題をこなすことをどうしても優先してしまい、前回の反省を生かすこともなかなか出来るようにならないのです。
小学校高学年以降だと、勉強にクラブ活動、塾通いと、数値で現れにくい『メタ認知力』のトレーニングに時間を取ることが難しいのもその一因だと思います。
だからこそもっと早い段階からメタ認知力を伸ばすよう心がけていきたいんです。
結局のところメタ認知力ってどういうこと?
よく書かれている言葉としてメタ認知とは「自分の思考や行動そのものを認識して自分自身の認知を把握すること」とのこと。
ではいくつか言い方を変えて紹介していきます。
◆自分の頭の中で何が起こっているのかを考える能力
⇒『問題が理解できないとき、その原因を考え、異なる解き方を試す』ことが出来る力
◆料理で頭の中のレシピを再確認する能力
⇒料理で頭の中にあるレシピを書き出し、それが本当に合っているかを確認する力
◆自分の考えや実力を地図に書いてルートを考える能力
⇒自分の考えたことがどうなっているのかを客観的に見て評価できる力
表現が難しいのですが、自分自身の力を客観的に評価したうえで、目的までの進み方を考えることが出来る力ですね。
幼児期から伸びるメタ認知力
では実際のメタ認知力はどのように成長していくのかというと、まず3~5歳に第一段階かつ最も成長する段階があります。
- 『ある知識を知っていること』を話せる
- ある程度計画して物事を進められる
- 自分の考えや他人が違う考えをすることを理解できる
※完全に他人の視点を理解することはまだ難しいそうです
つまり、上で紹介したような『学年トップを取る生徒の考え方』が始まるのが3~5歳の幼児期ということになります。
家庭で実践できる幼児向けメタ認知の育成方法
ここまで書いてきたように、メタ認知は学力に強く繋がり、そしてそれは3~5歳から伸びていきます。
であればこそ、具体的にどういった生活をすればメタ認知力を伸ばすことが出来るのか、その実践方法を紹介していきますね。
1日の振り返りで子供のメタ認知UP
まずは何もなくてもすぐ出来ること。普段から取り入れていて「あ、そんなのでいいんだ!」と思われるパパママも少なくないと思います。
今日からすぐ出来ること、夜や寝る前に、その日にあったことを話し合いましょう。
- その日にどんな経験をしたかのかな?
- 何を考えてどう思ったのかな?
- 何かできるようになったことがあるかな?
といった本当に他愛もない話し合いでOK!
これらを言葉にして振り返ることが、子供のメタ認知能力の向上を促しますよ。
さらにレベルアップ
1日の振り返り、お子さんが成長してきたらそれを絵や日記へとレベルアップしてもGOOD
自分の考えを言葉にする⇒絵にする⇒文字にする、と成長に合わせて振り返り方も伸ばしていきましょう。
特に文字や文章に出来るようになると、語彙力や文章力の向上にとイイコトだらけ!
この辺りは幼児期に焦らなくても全然OKですが、小学校に進んで日記の宿題があればしっかり取り組めるよう準備しましょう。
何考えてる?の声掛けで子供のメタ認知力を伸ばす
こちらも簡単。
お子さんが考えて何かを行っている際に、「何考えてるの?」と問いかけて答えてもらうだけです。
非常に単純ですがこれも研究に裏付けられたトレーニングの一つなんです。
考えていることを答えてくれたら「面白い子と考えてるね!」と感心して褒めてあげるのも忘れずに!
絵本の読み聞かせに対話を入れて思考力も併せて伸ばす
以前に紹介した『対話型の読み聞かせ』もメタ認知力を高めるのに有効ですよ。
以前の記事では論理的思考力に焦点を当てて記載していましたが、対話型の読み聞かせの中でも
- 登場人物が何を考えているか
⇒「ここで○○は何を考えてると思う?」 - 登場人物が行動した理由
⇒「なんで○○はこんなことしたのかな?」 - ページの続きの展開
⇒「この後どうなると思う?」
といった問いかけ・対話を入れながらの読み聞かせは、メタ認知力だけでなく思考力、好奇心、想像力を育むとっても有効な方法の一つですよ!
この『対話型読み聞かせ』が有効であると出てきて驚きます。
ごっこ遊びもメタ認知向上に有力
ごっこ遊びは特に意識せずとも行う子供も多いと思います。こちらは『キャラクターや登場人物になりきる』ことで、他人からの視点を取る練習ですね。
キャラになりきる=他人からの視点を取る=客観視の練習
ということで、メタ認知の向上に有効との研究結果が出ています。
ごっこ遊びなので特段学習的な要素を重視する必要はありませんが、「そのキャラならこんなことするんじゃない?」といった、なりきりの補助をしてあげましょう。
まとめ|メタ認知力を伸ばして子供の将来の成績へつなげよう
今回は子供の成績と深く繋がるメタ認知力を幼児期から伸ばす方法として紹介してきました。
- メタ認知力は勉強の仕方に大きく関わる
- 3~5歳からメタ認知力を育てていこう
- 振り返りや読み聞かせなどトレーニングは今日から始められる
特に事例で挙げたメタ認知力が高い子と低い子の差は、本当に顕著にみられます。
だからこそいざ学校で勉強が難しくなる『前』、クラブ活動や塾で毎日が忙しくなる『前』からこのメタ認知力の成長を意識して日々の生活に取り入れてみてください!