数や計算が凄く大事。
これまでも色々な研究結果をもとに幼児期にすべき学びを紹介してきました。
私自身、将来の学力や学歴と幼児期の学習・経験が強く結びついている研究を調べながら日々子育て・知育・幼児教育に取り組んでいます。
ただ、調べれば調べるほど就学前の数字や算数の教育が大切であるという研究を目にします。
そこで今回のお話としては
- 数は特に幼児期の学習と高校・大学受験に関連が強い
- 『数のお勉強』よりも重要な『数の習慣』とその方法
ということを教育に関する研究と合わせて紹介していきますので、ぜひ見ていってください。
目次
就学前の数学の習慣化が『高校・大学受験』に必要
まず大前提として、幼児期の数学・算数の能力は中学以降の数学学力と強く結びつくという事実が様々な研究から明らかになっています。
これは塾経営の中で1000人の中高生を指導してきた私が、実際の教育現場ではっきりと実感したことで、少なくとも10歳より上で数学の苦手を克服できることは殆どありませんでした。
ですので、小学校よりももっと先の将来、中学のお勉強や高校受験、さらには大学受験でお子さんが辛い思いをしないためにも、幼児教育や幼少期のお勉強で一番力を入れて欲しいと思っているのが数学教育です。
ですが、私が主張したいことは、例えば通信教材などで数や算数のお勉強をすることではなく
日常の中で数える・計算する習慣をつけることが大切ということです。
もちろん、お勉強として机やワークに向かって行う数字や算数の勉強もあって悪くないと思います。
ですが、これまたとあるアメリカの研究なのですが、「親子が日常的に数を数えたり、数学に関連するゲームをしたりすることが、子どもの数学的スキルの発展に有効」という結果が出ています。
要は、ただのお勉強として数学を行うよりも、日常の中で数学を取り入れている家庭のほうが数学が得意であるというお話です。
数や計算が習慣付いていると、お勉強の時間だけでなく普段の生活において数を意識する、つまりは数学に触れる時間を無意識に増やすことが出来、さらにそれが成長しても継続します。
結果的に、10年以上にわたって数学的思考を動かす機会が継続するというわけですね。
数字や算数を日常生活で習慣付かせる
では具体的に生活の中で何をすればいいかというと、パパママが
- 色々な物を声に出して数える
- 目に入る数字をしょっちゅう読み上げる
- 計算や数遊びを身の回りのもので行う
この3つを意識してください。ですが、あくまで日常生活の中で行う事を意識しましょう。
脈絡なく数えだしたり数字を出すと、その時点でそれは数のお勉強となってしまい日常習慣ではなくなります。
本当に日常にある範囲でOKですので、次の具体例も参考に意識してみてください。
日常生活に数字を取り入れる具体例
最近は1億!10億!とか(わかってないでしょうけど)言っています笑
ここで紹介するものは、アメリカの研究で紹介されていたものや実際私が家でやってみて効果があった者たちです。
◆簡単な数字を数える習慣
何でもいいのでパパママが初めは指さして声に出して数えるようにしましょう。
例:
- 食事の時の数
⇒家族のウインナーの各本数、食器やお箸の数、家族の人数、椅子の数 - 遊びの時の数
⇒積み木の数(家を作るのに〇個使った)、トランプ遊び、絵本の数やページ - お出かけ時の数
⇒靴の数(2の倍数にも!)、駐車場の車の数、その他お子さんが興味を持ったものを数える
◆日常で目に入る数字を読み上げる習慣
こちらも、数字を声に出して読み上げてあげてください。
意味や量の理解は別として、日ごろから数字を意識させることが目的です。
例:
カレンダー、デジタル時計、ニュースで気温、絵本や図鑑のページ数、道路標識、値札
◆簡単にできる数遊び
こちらは日常の中で計算すること自体を習慣化させるのが目的。
初めは5までの小さい数で全然OK。習慣化さえしてしまえば、学校で大きい数を習うようになってからもどんどん生活に計算が入っていきます。
例:
- 数の分解
⇒1パック5枚の海苔を2枚と3枚に分けて「5枚だから3枚は○○ちゃん、2枚はママのね!」
⇒おやつの時間に「○○ちゃんは2個、ママも2個だから全部で4個だね!」 - 数の大小
⇒おかずの数の大小○○ちゃんはウインナー2本ね。パパは大人だから2本多くして4本だよ!」
⇒年齢の差など「○○ちゃんは4歳だからあと2歳、6歳になったら小学校だよ!」
⇒あと何日で休日かなど「今日が15日、あと2回寝たら17日でお休みだよ!」
特に日常生活における数遊び等は、大人が無意識のうちに頭の中で行っていることが多いと思います。
それを声に出してお話しするだけでお子さんにも数への意識がぐっと高まり、真似をしてくれるようになりますよ!
将来数学を得意にする|就学前の算数ステップアップ
さて、上では数字や計算をメインでお話していますが、幼児期に出来る数学で習慣化できるものは他にもまだまだあります。
余裕があれば次のようなことも意識してみてください。
日常の中での図形探し
こちらは簡単、図形探しですね。
基本的には身の回りの物の形を声に出して読み上げてみてください。
形の名前が分かる、という事よりも、形を言葉にしてお子さんと話すことで、日常の中で様々な場所や物を図形と繋げるということがポイントです。
家の中で丸や四角などの形を探す、道路標識の形、ブロック遊びの形等
日常の中で仲間分け
こちらも意識すればすぐ出来ます。日常にある物を仲間分けしていきましょうという活動です。
例えば洗濯物を「着る物」「穿くもの」に分けて片付けましょうといったものですね。
そう感じるかもしれませんが、条件分けや場合分けといった概念自体がれっきとした数学。数学的な表現だと『確率』と言ったほうが分かりやすいかもしれませんね。
おもちゃの仲間分け(色や大きさ、種類)、おやつの仲間分け(形や味)、服の仲間分け
さらに言えば分け方もお子さんに考えてもらうと教育効果が激増します!
その場合はどんな分け方を提案してもいったんは褒めてあげてくださいね。
日常の『数値』や『量』を読み上げ
大きさや長さなどを読み上げる活動です。
こちらは数字と数値の関係ですね。ただ数を数える・読むわけでは無く、同じ数でもいろいろな意味を持つということを感覚として子供に身に着けてもらうものです。
例えば同じ10でも、時速10km、10秒、10cmなどいろいろな『10』が世の中に存在しています。
その『いろいろな10があるんだ!』ということ自体を感覚として身に着けるための習慣ですね。
あくまで幼児期であれば『いろいろな10がある』ことが分かればOKなので、単位の理解まで意識する必要はありませんよ。
靴のサイズ比べ、身長と体重、車の速さ読み上げ、料理の分量、10秒数えると10分測るなど
ここで普段から『いろいろな10がある』という意識が付いていれば、いざ学校で単位が出てきたときに『なるほど!』と繋がってくれます。
まとめ|幼児期から数字は習慣しましょう
今回は就学前に絶対取り組んで欲しい数の勉強の習慣化について紹介してきました。
- 就学前の算数は高校受験や大学受験に関係する
- 日常から数を意識する習慣をつける
- 日常でできる数の知育がたくさんある
冒頭でもいろいろな記事でも書いていますが、幼児期の数学は成長後の数学力に強く関係し、苦手になると克服することが非常に難しいです(次いで理科)。
そしていろいろな通信教材を比べてみましたが
習慣化で数に触れる機会>>>通信教材で数に触れる機会
と、実際に勉強を教えている教育者の観点からしてみても普段のお勉強の範疇だけでは全然数を意識する機会が足りていないと感じました。
ですので、是非とも生活の中で数をもっと意識して知育や幼児教育に取り入れてみてください。