少なくとも40歳まで影響が出るらしいですよ。
学校教育の学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」と呼称されるアクティブラーニング。
モンテッソーリ教育などでもふんだんにとり入れられている教育ですね。
今回は、そもそも探求心・好奇心が強いことから幼児期~小学低学年での実施がとても効果的と言われているアクティブラーニングの方法や実践方法を紹介していきます!
目次
そもそも幼児期のアクティブ・ラーニングって効果があるの?
聞きなれない人にはそもそもどういった知育・教育がアクティブラーニングに繋がるのか、やる価値があるのかイマイチ難しいこともあると思いますが、その効果はアメリカの研究で判明しています。
幼児教育でハイスコープカリキュラムと呼ばれていますが、簡単に言うと
幼児期にアクティブ・ラーニングを受けた子供は
その多くが大人になっても優秀であった
という実験結果が出ています。
実際にどういう点で優秀であったかというと
- 幼児期のIQが急上昇
- その後特別教育が必要となった生徒が半分
- 40歳の時点で経済的な上位者が多かった
教育を受けた人とそうでない家庭を比べた結果
⇒家を所有している割合が3倍
⇒給料の中央値が1.4倍
⇒年収500万円以上の割合が1.2倍
※年収はインフレ率等から2023年の価値にざっくり換算しています
とまあ、目に見えて効果があったことが分かります。
幼児期に行うアクティブ・ラーニングとは?
今回は追跡調査の結果が明確に報告されている、ハイスコープカリキュラムの教育にのっとって紹介していきます。
このブログの性質上、家庭で出来る範囲で説明しますが、保育園や幼稚園でも取り入れてもらえるような内容の紹介になっています。
実際の進め方としては以下のような手順です。
- 学びに繋がる遊びを複数準備
⇒お絵描き、ブロック遊び、ねんど遊び等 - 子供が計画・遊び・振り返りを行う
⇒何がしたいの決定から遊んだ後の感想まで - パパママや大人はそれを補助する
⇒問いかけや手助けの誘導
勉強に繋がるような遊び道具・環境を事前に複数準備しておき、お子さんには自分でやりたいことを選んでもらいましょう。
そして、やりたいことを「どうやるか」「何をしたいか」「どうなると思うか」といった計画をお子さんと一緒に立てて、いざ実践。
遊んだ後は「遊んでどうだった?」「うまくできた?」「何が出来なかった?」という振り返りといった流れになります。
その内容を深く考えよう!
深く考えてるの凄い!って流れですね。
実践例|幼児期アクティブ・ラーニング
では具体的にどのような準備や活動をしていくのか紹介していきますね!
とはいえ、塾を経営する中でたくさんの生徒を指導してきた私としては
幼児期からの理系教育・STEM教育(理科、技術、工学、数学教育)をとても推奨しています。
よって、将来苦手とする子供が多い理系的な内容や理系脳を育むという意味で、例としては理系に繋がりやすいものを多く紹介していきます。記事に乗せていない物でも全然OKですよ。
アクティブ・ラーニングの準備
まずは「子供が興味のあることを学べる」という環境の準備からスタートです。
口頭で遊びを紹介するのではなく、勉強に繋がる遊び道具や特定のおもちゃコーナーを準備しておきましょう。
- 数学に繋がる遊びの準備
サイコロ、すごろく、100玉そろばん、パズル、磁石ブロック、迷路、算数ドリル等 - 自然探索に繋がる準備
虫眼鏡、顕微鏡、図鑑、磁石、お出かけセット - 科学に繋がる遊びの準備
車やボール、磁石、水や浮力、科学オモチャや実験キット - 工学に繋がる遊びの準備
粘土、ブロック、紙やテープ工作道具、ペン等 - 国語に繋がる準備
絵本、書き取りグッズ、お手紙グッズ、ひらがなドリル
ここに出したのはあくまで一例です。
ようは学習に繋がる遊びを子供が選べるようにするというところがポイント。
目に見える形で設置し、子供がそれを見て自主的に「○○がしたい!」と考えられる準備であればなんでもOKです。
アクティブ・ラーニング遊びの開始
ある程度準備して、子供がどんな遊びがあるのか分かったら問いかけからスタート!
- 「何をして遊ぶ?」「何を使う?」
- 「そのためには何が必要?」
- 「他には必要なものがある?」
- 「○○が合ったらもっと面白いんじゃない?」
- 「それいいね!」「面白そう!」
といったように計画を一緒に立ててあげましょう。
そして子供が意見を出したら褒めてあげてくださいね!
遊びの中での問いかけ
いざ遊びが始まったら、要所要所でフォローをしつつ問いかけを行い、お子さんの探求心を伸ばしていきましょう。
子供の「探求心を引き出す」「考える機会を与える」ことに重点を置いた問いかけをします。
「なぜそう思ったの?」
「それがどういう意味するのか教えて?」
「他にどんな方法がある?どうすればいい?」
「どうしてそうなると思う?」
という問いを基本として問いかけましょう。
- 数字遊びや数遊び・算数ドリル
⇒「どっちが多い?」「いくつ多い?」
⇒「合わせていくつ?」「半分こしたらいくつになるかな?」 - 自然探索遊び
⇒外遊び:「この虫は何食べるのかな?」「図鑑でも見てみよう!」
⇒観察:「このお花を顕微鏡で見てみない?」「この石は色が違うね!」
⇒その他:「何でそれが気に入ったの?」「他にもあるかな?」 - 科学遊び
⇒ボールや車:「落とすとどっちが先に落ちるかな?」「どうしたら速く進むかな?」
⇒その他実験:「こうするとどうなると思う?なんで?」「じゃあやってみようか!」
⇒「不思議だね!なんでかな - 工学・工作遊び
⇒ブロック遊び:「この形を入れるとどうなる?」「どうすれば倒れないかな?」
⇒工作「うまく作るにはどうすればいいんだろ」「コレを使ってみれば?」 - 国語・絵本・ドリル
⇒絵本:「この後どんなストーリーかな?」「どうしてこんな話になったのかな?」
⇒書取り:「どんなことを書きたい?」「何を書いたらうれしいかな?」
※対話型読み聞かせも参照
その他の気に掛ける点として、
◆自分で深く考えたことや学ぼうとする姿勢自体を褒める
◆子供が答えることが難しければある程度の答えも用意する
◆一緒になって調べる
という点も意識しておきましょう。
遊んだ後は振り返り
遊んだ後はその内容を振り返る機会を作ります。
自分自身の経験自体を深く考えて、表現する力を養えます。
◆振り返り例
⇒「何をやったの?」
⇒「何か見つけた?発見した?」
⇒「なんでそうしたの?」
⇒「どうやったらうまくいったの?」等
そしてこの問いかけによって子供たちはいろいろと考えて答えますので
しっかりと褒めたり喜んだりしてあげましょう!
まとめ|幼児期からのアクティブ・ラーニングでお子さんを成功に導くべし
今回は幼児期のSTEM教育と並んで将来への影響が判明しているアクティブ・ラーニング、とくにハイスコープカリキュラムの概要について紹介しました。
- 幼児期のアクティブラーニング教育が40歳まで影響する
- 学習に繋がる遊び環境を見える形・選べる形で準備する
- 問いかけと振り返りを取り入れて探求心を伸ばす
記事の上のほうでも書いていますが、今回の内容はあくまで家庭で出来る範囲と理系に焦点を出来るだけ当てた内容になっています。
そもそも幼児期の理系教育自体が成長してからの理系学習に強く結びついていますので。
また、保育園・幼稚園で行うのであれば、さらに大きい知育おもちゃ・セットの準備、集団としての話し合いの場、アクティブ・ラーニングのルーチン化といった、より教育規模の大きい内容へと変化できますが、簡単にできる範囲で取り入れても全然OKだと思いますよ。