我が家は実際にこどもちゃれんじをやめてZ会幼児コースにしましたので、その体験談と変更のメリットデメリット、注意点を紹介します。
結論から言えば、こどもちゃれんじからZ会幼児コースへの変更は勉強面ではおすすめですが、パパママの手間が増える所がポイントです
こどもちゃれんじとZ会幼児どちらも利用した私が解説
- こどもちゃれんじからZ会にした時に変わる点
- Z会に変えても大丈夫かどうか
- 小中学校以降の勉強と教材との関係
こどもちゃれんじをさせてはいるものの、簡単すぎると感じたり、教材や付録自体に子供が飽きてしまったりということもあると思います。
でも、机に向かうだけでは将来成績が伸び悩むんです。
ソコを押さえるのはZ会が上手!
どちらも人気の幼児向けの教材ですが内容や方向性が違ってきます。
こどもちゃれんじ
- ひらがなや数などの先取り学習がメイン
- 楽しく『勉強に向かう』工夫がいっぱい
- 子供が自分で進めやすい内容
- 遊びが勉強になる教材
Z会幼児コース
- 思考力や理科への好奇心を重視した学習
- 『勉強内容が』楽しくなる体験型教材
- 親子で一緒に取り組む内容
- 勉強とそれ以外が結び付く教材
じゃあ実際にこどもちゃれんじからZ会に変えても大丈夫なのか、何がどう変わるのかを色々な点から比較していきますね
目次
こどもちゃれんじとZ会内容・効果の比較
簡単にこどもちゃれんじとZ会の学習効果を理系重視で比較していきますね。
総じていえば
- こどもちゃれんじよりもZ会のほうが賢く育てやすい
- こどもちゃれんじからZ会にするとパパママの手間が増える
- 金額は若干変わる
という感じです。
こどもちゃれんじからZ会に変えても大丈夫?ついていける?
では実際にこどもちゃれんじからZ会に変えても大丈夫なのかというと
答えとしては
- お子さんは大丈夫
- パパママは手間が増える
勉強内容と目的でいえば全然問題ありません。
具体的に言えば
算数:こどもちゃれんじのほうが進みが早い。
ひらがなの読み:だいたい同じ進度。
ひらがなの書き:習う順序が異なる。大きな問題は無し。
その他:Z会は理科や思考力問題が多い。
となります。その他の変わるところをまとめるとこんな感じ
実際にこどもちゃれんじ(通常)からZ会にするとこんな違いがあります。
教材の変化
- ワークの問題量が増える(例:30ページ⇒46ページ等)
- おもちゃや絵本が体験課題に変わる(Z会年少は秀逸な絵本あり)
- 課題の提出・返却がある(年中以降)
学習内容の変化
- 理科に繋がる内容が多くなる
- 思考力問題が増える
- ひらがなや算数はやや減る・簡単になる
付録の変化
- 付録はほぼ無くなる(あっても紙ベース)
- 将来の勉強と繋がる遊び体験が増える
- おもちゃは自作する
といった変化があります。
読み書き数字の学習進度についてはZ会に変わってもほぼ問題ありません。
Z会幼児コースは、知識を問うというよりも問題を通じて自然や科学に興味を持たせる内容や考えることを遊びにする内容になっています。
もちろんどれが正解?といった問題もありますが、仮に分からなくても
とお子さんが考える時点でOKなわけです。
例えば理科を例として挙げるならこんな問題ですね
こちらも、解ければそれはそれでOK。
ですが、別に学校のテストでは無いので
『どっちだろう?』⇒『やってみよう!』
となれば、その好奇心と実体験こそが大正解です。
だから全然大丈夫なわけだ。
ですが、そういった『やってみよう!』や『これどうなの?』が増え、さらに体験学習が課題になるのでパパママの手間は増えます。お子さんの好奇心に応えることが重要ですのでパパママが応えれるかどうかがポイントです。
ではさらに具体的に変化を比べていきますね。
こどもちゃれんじとZ会・教材の違い
まずは教材の種類の比較です。こどもちゃれんじを受講中のご家庭はよくご存じでしょうし、年長からは特に色々なコースに分かれますので、紙ベースで比較していきます。
こどもちゃれんじ
- ワーク(年少16-24p/年中30p/年長20-46p, 思考力62p)
- エデュトイ(知育おもちゃ:年少12個/年中8個/年長9個)
- 絵本教材(月に1冊)
- 特別教材(年長年に6~8)
- 提出課題(思考力のみ年3回)
- 映像教材(毎月)
Z会幼児コース
- ワーク(年少30p/年中46p/年長48p)
- 体験型教材(週末向け:毎週1時間程度/4~10p)
- 提出教材(月1回お絵描きなど/年中から)
- 絵本教材(月に小型本1冊/年少のみ)
- 映像教材(タブレット等で年に4回)
こどもちゃれんじと比べると、Z会幼児コースはワークの問題数が増えますが、その分他の教材の種類は少なくなります。
そしてこどもちゃれんじの特徴であるエデュトイと比べて、Z会の最たる特徴と言える体験型教材ぺあぜっとがあります。
ワークの変わり方を比較|こどもちゃれんじとZ会のワーク
ではワークの内容をさらに細かく比較していきます。
対象年齢によっても違いますが、上でも紹介した通り問題数がZ会のほうが1.5倍程度多くなっています。
こどもちゃれんじ | Z会 | |
分量 |
年少:16-24p 年中:30p 年長 総合:20p |
年少:30p 年中:46p 年長:48p |
内容 |
一般(年少~年長総合) 年長思考力特化コース |
年少~年長全体 |
その他 | 子供受けがいい作り | 勉強に繋がる題材ばかり |
ワークの学習内容の違い
数字や計算についてはZ会よりこどもちゃれんじのほうが数カ月~半年ほど進んでいます。
ですが、上でも触れたようにこどもちゃれんじのワークと比べるとZ会のワークは自然や科学を題材とした問題がふんだんに使われています。
例えばこちら
Z会のワークの一部ですが、『ゴムの伸びと力の関係』ということで小学3年生で習う理科の内容になっています。
理科と言えばこどもちゃれんじでは生き物、つまりは生物単元が題材となることが多いのですが、Z会ではこの『ゴムと力』のように物理単元も題材として頻繁に出てくる点が特徴です。
その他にも思考力を育てる問題が多いのもZ会の特徴。
こどもちゃれんじでも思考力特化コースがありますが、似たような問題が年少から年長まで通常のワークに毎回含まれています。
こちらはZ会年少の問題ですね。
こどもちゃれんじは年中まで思考力問題が少なく年長の思考力特化コースで一気に練習するのに対して、Z会では年少から年長まで頻繁に思考力問題が出てきます。
ワークの題材や作り・方向性の違い
お次は全体的な『ワークの作り』を比較すると
- 『子供受け』のこどもちゃれんじ
- 『全て勉強につながる』Z会
といった違いなっています。
こどもちゃれんじは子供受けがとても良い作りで、例えば10月号なら
このようにハロウィンを題材として、見た目も楽しく作られています。
それに対してZ会はというと
こちら、秋ということで紅葉が題材になっています。
秋に限らず、こどもちゃれんじはカラフルで楽しそうなイベント、Z会は季節の変化に合わせた自然を題材とすることが多く、子供はこどもちゃれんじのほうが喜びます。
しかし、将来の勉強に繋がるのはZ会が題材にする自然の変化ですね。
ちなみにある有力なアメリカの研究より
『算数と理科は幼児期の能力が中学以降の学力と強く関係する』
という結果が出ていおり、こどもちゃれんじ・Z会に関わらず自然体験や自然現象の観察は意識したほうが良い幼児教育のひとつです。
ワーク以外の違いを比較|こどもちゃれんじとZ会の教材
お次はワーク以外の学習がどう変わるかを紹介していきます。
簡単に比較すると
- こどもちゃれんじのエデュトイ
勉強に繋がるおもちゃ
課題と合わせて遊ぶ
ほぼ毎月(年少12個/年中8個/年長9個) - Z会のぺあぜっと
勉強と結びつく実体験
体験すること自体が課題
毎月の毎週末に親子で実施
といった具合ですね。
こどもちゃれんじと言えば色々なことを遊びながら勉強できる知育玩具・エデュトイがあります。
子供が遊んでいるうちに色々な力を身に付けることが出来る素晴らしいオモチャですね。私もオモチャの出来に本当に感心しました。
たとえばこの『うごくへんしんロボキット』なんかは子供も大喜びで遊ぶことが出来ました。
対するZ会はというと、『付録のオモチャ』といった類のものが一切ありません。
その代わりにあるのが体験型教材の『ぺあぜっと』です。。
この体験型教材、特定の遊びや料理などを体験すること自体が課題になっている教材です。
例えば
- ○○を使って◇◇を作ろう
- ◇◇で△△して遊ぼう
- ▲▲を散歩で探しに行こう!
といった内容になっています。
私は週末の遊びネタとして、土日やることに困ったらまずはコレくらいの考えで進めています。
例えばこんな感じですね
段ボールと割りばしでうちわを作ろう!そしてパパママを涼しくしてあげよう!といった具合です。
それぞれの狙いの違い
ではエデュトイとペアゼット、全体的にどう違うかというと、これもワークのつくりと同じく
- 『子供受け』のこどもちゃれんじ
- 『全てを勉強に繋げる』Z会
となっています。
こどもちゃれんじの『子供受け』についてはオモチャが主体ですので説明するまでもないと思いますので割愛しますね。
ではZ会の体験学習がどう学習と結びつくかですが、上の写真で紹介している『うちわづくり』を例に挙げると
- 身の回りの物から役立つうちわを作る
⇒工学の素養と好奇心 - うちわで風を起こす&涼しくする
⇒理科や物理の実体験
といった要素に繋がっていきます。
その他にも
- 皿洗いから数学や理科の要素を体験
- 散歩中・道端の雑草が化学実験と繋がる
といったないようです。
こんな風に勉強と生活の垣根を越えた体験が課題になっていることが殆どです。
そして私の塾経営の経験上、中高生は賢い生徒ほど勉強と生活の垣根がありません。
つまりZ会の体験学習は
生活と勉強内容を繋げる習慣がある生徒は賢い
⇓
じゃあその習慣を幼児期からつけよう!
って教材になっているわけです。
実体験が有効な学術的根拠
アメリカの元心理学会会長アルバート・バンデューラ氏の研究から『人は自分で何かを体験することで、その経験に対する喜びや達成感を感じやすい』とされています。お子さんが自分でボタンを留めることが出来たとき嬉しそうにしていたと思いますが、それと同じですね。
またハーバード大学出の教育理論家心ディビッドAゴルフ氏の研究より『体験を通じた学びが情報の長期的な定着に効果的である』ことが示されています。これは例えば、料理のレシピを覚えるのに、たただレシピブックを読むよりも実際に料理するほうが覚えやすいのと同じです。
つまりZ会の学習と繋がる実体験は、経験の喜び⇒『勉強と繋がる体験が嬉しい=探求心の育成』や『勉強内容の長期的な定着』に結び付く、心理学や教育理論の研究にのっとった学習教材になっているわけです。
絵本教材の変化
Z会は年少コースのみ絵本教材が付いてきます。
もちろんこどもちゃれんじにも教育にとても良い絵本が付いてきますよね。
この絵本にも大きな違いがあり、優劣をつけるわけではありませんが両社で考え方が違っています。
端的に言えば
こどもちゃれんじの絵本は『読むと子供の為になる絵本』
Z会の絵本は『親子で対話し考えながら読む絵本』
となっています。
Z会の一部の絵本はダイアロジックリーディングと呼ばれる、思考力を育てるのにとても効果的な読み聞かせ教材になっておりとっても勉強に有用です。
このダイアロジックリーディングは我が家で凄い勢いで効果が出たので、よろしければこちらの記事も参考にしてみてください
人気キャラがいないZ会でもやってくれる?
教材のいたるところで子供に大人気のキャラクター・しまじろうと勉強できるこどもちゃれんじと比べると、確かにZ会はそれらしいキャラはいるもののやや弱く感じてしまいます。
ですがこう考えてください
好きなキャラがいるから勉強するという時点で、すなわち『ご褒美があるから勉強する』と同レベルになります。
私が塾経営とともに1000人の生徒を見てきた経験上、小学校中学年以降で『ご褒美の為に勉強する』癖がついている子供は総じて成績がイマイチです。
確かに不安は残ると思います。
ですが、Z会の一番のポイントは体験型教材の「ぺあぜっと」。
つまりZ会は○○して遊ぶ、○○を体験してみるという点が一番重要なところです。ワークに向かって書き込むわけでは無いので、抵抗があるお子さんは少ないと思います。
Z会への変更を考えるときの注意点
教材の効果・学習内容といった面ではZ会のほうが優秀であるというお話を伝えてきましたが、かといってZ会も万能ではなく問題となる点があります。
それは再三書いていますが、何よりもパパママの手間がかかること。
私の家では、こどもちゃれんじのワークはほぼ一人でやってくれましたが、Z会のワークはある程度声掛けをしながらやっています。
また、お休みの日の体験学習や提出課題などを考えるとどうしてもパパママの負担が増えます。
じゃあかかる労力がどれくらいかというと、分量の目安として
- ワーク:平日5~10分|一人で進めるけど横で声掛け
- 体験学習:週末30分~1時間|親子で一緒に取り組む
が必要となってきます。
例えば体験学習の例としてこちら
こんなお皿洗いみたいな体験だとどうしても後片付けの手間なども増えてしまいます。
ですので手間がかかってそもそも教材が出来ない!となってしまうようであれば、いくら効果が期待できるからと言ってもZ会は不向きと言えるでしょう。
ちなみにこどもちゃれんじとの比較として私の娘(年中)の勉強時間を参考として紹介すると
こどもちゃれんじ ステップ
- ワーク:平日30分程度が2~3日で終わる(ほぼ一人で)
- エデュトイ:休日やワークが無いときに適当に遊ぶ
- 絵本などその他:上二つに飽きたときに適当にやる
Z会幼児 年中コース
- ワーク:平日30分程度で4~5日で終わる(一緒に話しながら)
- 体験学習:週末やることが無いタイミングで1時間程度
- ひらがなドリル:平日30分程度で1~2日で終わる
- 提出課題:月に30分程度+発送の手間
といった具合でした。
小話:教育と手間について
Z会のほうが手間がかかるというお話をしてきていますが、塾でたくさんの保護者さんとお話をするうえで感じることは、幼児期の教育の手間は微々たるものだということです。
例えば成績が振るわなくて塾に通う子の手間でいえば
- 平日2・3回塾への送迎
- 日々家で勉強しているかの監視と叱責
- 成績や志望校に関する言い争い
- それらを反抗期の子供に対して行う
という家庭にたくさん出会ってきました。
早い段階で成長後の悩みを目にすることが出来て良かったと思います。
その将来の手間を考えると、少しでも勉強で苦労しないように育って欲しいと思うのと同時に、幼児期がどれだけ勉強に手間がかからないかを感じます。
学習意欲の段階をうまく利用しよう
最後に、こどもちゃれんじとZ会は心理学で考えられる『学習意欲』に対して、得意としている段階が違います。
上の方でも似たような内容を書きましたが、心理学から学習意欲は大きく分けて次のような段階に分けられます
心理学の『自己決定論』から見る学習意欲の段階
Lv1:ご褒美や褒められたいから勉強する
Lv2:友達と比べたりテストの順位の為に勉強する
Lv3:勉強内容が楽しいから勉強する
この中で、こどもちゃれんじが得意とするのがLv1です。
かわいいキャラクターや楽しい仕掛け、オモチャで興味をひいて勉強に向かうスタンスですね。さらに先取り進度が速いのでLv2も兼ね備えます。
それに対してZ会幼児コースが得意とするのがLv3。
身の回りのことや自分が体験したことが勉強と結びつくから楽しく学べるというスタンスです。
そして私の経験上、成績最上位はLv2とLv3に基づいて勉強していることが殆どです。
どの段階も勉強をする上では大事ですので、お子さんに不足している段階はどこなのかも考えてみましょう。
例えば『いろいろなことに興味があり普段から色々な経験をしている』のであればこどもちゃれんじのままでも全然OKでしょう。
逆に実生活の色々なところへ興味を持って観察する機会が少ないようであればZ会への変更をおすすめします。
パパママの手間も考えてこどもちゃれんじからZ会に変えてみるか、こどもちゃれんじを継続するかを検討してみてください。