このブログでは、幼児期から小学校低学年にかけての子供たちが理系分野へも興味を持ってもらえるような知育情報を発信しています!
突然ですが、皆さんはお子さんの将来の理系分野への興味が幼児期に決まるという話を聞いたことがありますか?
このブログでは、理系分野の幼児教育の大切さと、それを主とした日常の知育について紹介しているので、日々の子育てに生かせる内容があればぜひ見ていってください!
目次
幼児期のSTEAM教育が将来の学力につながる
この話は米国でMorganらが行った研究調査結果の一部分で、2016年に発表された論文に記載されているのですが、年齢と理系分野の学力差について次のように報告されています。
・4歳の時点で幼児ごとに一般知識の量に差がある
・8歳から理科のテストでその差が広がっている
・13歳時点でその差が一層大きいものとなる
結論:理系分野の学力差は非常に早い段階で現れ、学生の間その差が埋まらない
ここで言われる理科がいわゆるSTEM教育、Science, Technology, Engineering, Mathematicsの頭文字をとった、科学、技術、工学、数学の分野となります。そこに芸術(Art)を追加したものがSTEAM教育ですね。
Morganらが7000家庭以上を対象に調査を行った結果、これらSTEAM分野への興味や知識量は幼少期から格差が存在しており、成長してもその差が埋まりにくいという研究結果となっています。
塾経営者から見る幼児期STEAM教育の重要性
このブログ、みらい知育ラボの所長は、とある塾を経営しており、年間1,000時間個別に中高生へ理数科目を指導、指導た生徒の数は延べ1,000人に上ります。
その中で気づいた点として
・理系科目が「得意な生徒」と「苦手な生徒」の間には大きな隔たりがある
・苦手な生徒はテストの点が上がっても学問自体に興味を持たない
・得意な生徒は勉強と好奇心が一体化している
総じて
「理系が苦手な生徒」に理系の勉強は苦痛、「理系が得意な生徒」は勉強が遊びの延長
そしてこの構図が中高生の間は消えない
というものがあります。
そこで教育論文を調べまわった結果出てきたのが先の研究であり、私自身の結論として
学生時、勉強が苦痛となるか遊びとなるかは幼児期のSTEM教育に大きく左右される
というものに至りました。
幼児教育といえば早期英語の声が多く聞かれますが、日ごろ多くの学生と関わり、英語に対して理系の挽回の難しさをよく知っている所長は、声を大にして「早期STEAM教育!」と叫びたいです。
STEM分野が賢い子供の成長環境
Morganらの研究では、幼少期と学生時代とのSTEM学力のつながりだけでなく、どのような環境がより子供の学力を向上させているかについても統計を取っています。具体的なファクターを見てみましょう。
1. 読み聞かせや親との会話が豊か
2. 本や教育玩具が豊富に揃っている
3. 親が子供と一緒に教育的な活動を行っている
4. 親が子供の教育に関与している
5. 親の期待: 子供の学業に対する親の期待が高い
6. 親の経済的社会的地位が高い
日常の過ごし方
普段の生活で行われている読み聞かせや会話は、そのまま子供たちの語彙力に関係してきます。そしてそのための本が豊富である家庭のほうがよりSTEM分野において高学力になるとの研究結果がでています。
おもちゃについても、知育玩具が多い家庭のほうがより高い学力水準につながっています。
そして、そのいずれもが教育的な意味を持っていることから、親が幼児期に積極的に教育的な遊びに関与することが将来のお子さんの学力に繋がっていきます。
親の教育や幼児教育に対する関わり
教育に対する関わり、つまりは子供の学業面、勉強や進路についてもかかわりが大きい家庭のほうがより高い学力水準に繋がっています。
所長の塾でも「進路は子供に任せてますから」や「勉強のことは塾にお任せします」という家庭は総じて生徒の勉強への意識が低く、希望通りの進路に行けることは稀です。
また、幼少期から小学校中学年にかけて積極的にお子さんの教育に関与していなかった家庭が、中学受験や高校受験から急に勉強について声を大きくすることがありますが、その場合勉強がお子さんの苦痛となるだけであることが多く見受けられます。
逆に、幼児期から積極的に知育や教育に取り組んでいると、お子さんの意思で勉強をし上位を目指す、勉強そのものが楽しめる家庭が多いです。
親の経済格差の挽回
同じMorganらの研究チームの論文で、次のようなものがあります。
1.口頭語彙力が大きい幼児は学業成績が高い
2.口頭語彙力が大きい幼児は社会的スキルが高い
3.口頭語彙力が大きい幼児は社会経済的地位の低い家庭にいても高い学業成績や社会的スキルを示す
この研究結果はSTEMではなく一般的な学力についてですが、上で挙げた親とのかかわりともしっかりと結びついていますよね。つまり
幼児期の読み聞かせや親とのコミュニケーションが多い
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幼児期の語彙力が増える
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経済関係なくSTEM学力向上
の関係が出来上がるわけです!
早い時期からでもどんどん読み聞かせを行いコミュニケーションを積極的にとっていくことで、将来のお子さんが勉強=遊びの延長となるように意識していきましょう!
挽回が難しい要素とその解決法
今からでは挽回が難しい環境として以下のものも論文中で挙げられています。
・親が高学歴であるほど学力が高い傾向がある
・親が専門職や技術職であるほど学力が高い傾向がある
医者の家系は医者になりやすいように、どうしても親の学歴や職業とお子さんの学力とは切り離すことが難しいです。しかし、1,000人の生徒を見てきた所長、高卒両親から生まれた理系旧帝大生や、現役で国立医学部に行った漁師の息子を送り出してきました。つまるところは
1. 親が高学歴や技術者である
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2. 科学的、数学的な考え方・知識の供給が多い
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3. 子供がSTEMに強くなる
の図式が成り立っています。
しかし、この中で必須なのは「2. 科学的、数学的な考え方・知識の供給が多い」であり親の学歴や職業は必須じゃありません!
先ほど挙げた生徒たちも、幼少期からSTEM分野の知識を供給されていたからこそ世に言う高学歴として卒業していきました。
ですので、このブログでは幼児教育の中でも日常における科学的、数学的なアクティビティを積極的に紹介していきますので、ぜひほかの記事も参考にしてみてください!
専門知識のいらないSTEM教育アクティビティ
そうは言っても、まずはすぐできることから始めましょう。お子さんが嫌がらないのであれば、早いに越したことはありませんし、専門的な知識も不要な便利グッズが世には出回っております。
まずは次のようなおもちゃや遊びを意識的に取り入れてみてください。
・図鑑
・ブロックやパズル
・カレンダー等、常時数字が目に入り教えれるもの
・さまざまな科学実験キット(対象年齢には注意)
特に図鑑は、植物や生き物図鑑だけで終わらず、化学や鉱石、宇宙などにも手を広げてほしいです。その時は興味を持たなくても、そもそも「興味を持てるきっかけ」として準備しておいてもらえればと思います。
そのほかのブロックやパズルは空間認識につながる玩具ですし、カレンダーなど興味を持ってくれたらすぐに数字が見れるものがあると、数への興味も付きやすくなります。
この辺りはまた別の記事で書く予定ですのでお待ちください。
まとめ
・幼児期からのSTEAM教育が将来、勉強への興味につながる
・STEAM分野に興味が持てないと勉強が苦痛になる
・読み聞かせやコミュニケーションを多くとることで将来の学力が伸びる
・STEAM教育やアクティビティを積極的に取り入れよう!
数多くの生徒に指導してきた所長が見ると、STEM、とくに数学が苦手な中高生は、得意な生徒と比べると本当に辛そうに勉強しています。そしてそれは勉強が主目的である学生の間に克服することが難しく、なおかつ幼児期の経験に左右されるという研究を紹介しました。
所長自身、学業面が優秀でしたが特に勉強に苦労した覚えもないため、勉強が辛い子供や興味を持てない生徒の存在に当初は困惑したものです。
所長の目的は「楽しく勉強・探求し社会貢献できる優秀な人材の育成」なのですが、それが中高生向けの学習塾ではなく小学校低学年までの幼児教育に左右されていたことを知り非常に悩みました。
子供ができ幼児教育についても学んだことで、皆さんに有益な情報を少しでもお届けできればとおもって記事を書いていきますので、少しでも参考になるところは取り入れてみてくださいね!